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会議番号:3707 開催期間 2023年02月10日- 02月17日
最終日までたくさんのご意見、ご提言ありがとうございます。 みなさんが提言していることは、まったくその通りなんです。従来の家族のあり方の見直し(しょこさん、marco302さん)、低い賃金や労働慣行、特に正社員と非正規社員格差の見直し(ゆみ子さん、にしひがしさん)、女性議員をふやし、クオータ制の導入など男女共同参画の推進(黒船さん、地球交響曲さん)、全部少子化対策につながります。「子どもは親元を離れて生活」(みもざさん)というのも、結局は、従来の政府が「若者の雇用、低賃金対策」をサボっていたつけが親にのしかかっているだけともいえます。 つまり、従来放置されてきた昭和に作られた社会制度の改革こそが、少子化対策の根本だと思います。では、これらの諸改革が本当にできるのか、われわれは見ていかなくてはなりませんね。 出産一時金の増額や働き方改革などと言っていますが、タブーなのか、政府が全く触れられていない対策があります。高校卒業後の高等教育費の軽減です。そしてそれは、まさに「みもざ」さんが言うように、「若者への初期投資」の問題でもあります。 出生動向基本調査では、理想子ども数まで埋めない理由で「子育てや教育費にお金がかかるから」は断トツの一位です。親に申し訳ないといいながら、奨学金を借りたり、バイトに励む大学生も増えてきました。バイトと就活で学生時代が終わってしまうという学生もいます。これでスキルがつくのでしょうか。 高卒や大卒後、専門学校などでスキルをつける若者も多いですが、これも原則親負担。安心してスキルをつけることができず、奨学金返済負担のため結婚できない若者も増えてきました。「若者を社会で育てる」ことを怠って、親負担を重くしてきたツケが少子化、そして、経済成長の鈍化だと思っています。これには多大なお金がかかるから、政府は言うのを避けているのでしょうけど、大丈夫でしょうか。 異次元の、大規模な少子化対策が仮にできたとしても、その効果が日本に現れるのは、20年後。それまで(できない場合はそれ以降も)、日本は人口、特に労働人口の減少に直面します。「AIやロボットが普及する中、人口が増えなくても労働力は生み出せる、移民を増やせばよい」(ゆりえってぃさん)という意見もあります。 ただ、20年の内に介護するロボットが普及するでしょうか。AIが置き換えるのは知的労働で、圧倒的に不足するのは人をケアする仕事なのです。 移民はというと、これも心許ない。「低賃金の日本に移民が来てくれるか問題」が浮上しています。NHKのクローズアップ現代で、「安いニッポン 若者が海外出稼ぎへ!」(2月1日放送)でありましたが、オーストラリアでケア労働すれば月80万円、という話を聞くと、今後、日本人ケアワーカーの海外流出の方が心配です。 異次元といっているからには、全てのできうる限りの対策を打ち、若者を社会で育てることを目指してもらいたいです。 一週間お付き合いいただきありがとうございました。★山田議長の過去の円卓会議より・「昭和の家族像」が女性活躍を阻んでいる?・コロナ禍でパートナーとの関係は変わりましたか?・今、誰かに「恋」をしてますか?
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