働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3718 開催期間 2023年05月19日- 05月26日
最終日になりました。YESの割合は変わらず24%となっています。YES/NOの方からさまざまなご意見をいただきました。 ともとも16さんは「運動能力がないで片付けられてしまっている」と現状を指摘しつつ、「幼少期から周囲が気づいて関わることで生きづらさを軽減していける」と述べています。 現状は、真打ちさんの「D判定の背景」というように、学校から、「運動能力が劣っている」という結果の通知を受け、本人や家庭に努力を求めることになっています。E判定のお子さんも同様で、単に家族に機械的に通知しているだけで、「気づいて関わる」という意識が、教育関係者の中ですっぽり抜け落ちているように思われます。発達性協調運障害(DCD)学会は、このような現状を改善するよう、文部科学省や各地の教育委員会に申し入れが必要と考えています。 しょこさんから「何に困っているかやどう助けてほしいかを気軽に伝えることができ、また○○を手伝おうか?など気づいたときに気軽に声を掛けられるような、そんな信頼関係を築く。それを社会全体で実践」というご意見をいただきました。社会全体で信頼関係を築くには、まず「発達性協調運動障害」の人がいることを理解することからスタートです。拙著のあとがきに書いたメッセージは「比べなくていい、できなくてもいい」です。発達性協調運動障害の人も、自分らしく生きる権利を持った大切な隣人です。本人が望むことも望まないこともあります。しょこさんのメッセージは、本人が望むこと、私のメッセージは本人が望まないこと、になるでしょうか? Tohkoさんや、n.danさんからは、個性として受け入れるとの意見をいただきました。発達障害の支援の目標は、当事者への理解や配慮を深めることにより、その特性が「本人の個性」の範囲にとどまり社会で共生できるようにすることです。残念ながら、個性の範囲で収まらず、disability (能力障害;克服のできない能力の問題)を抱えている人が多数いるのが現状です。 発達性協調運動障害の人へのアプローチは、課題指向型と過程指向型があります。前者は実際の運動の遂行に焦点をあててスモールステップで目標に近づけていくものです。後者は遂行を妨げる要因に焦点をあてる方法です。たとえば自転車に乗る場合に、姿勢が悪い、前を持続的に見ることができない、ハンドルを持つ手が不安定である、などの要因に対処していく方法です。その都度小刻みに、実現できそうな目標を決めて、「ここまではできた」という成功体験の連続で、課題を克服していくことを目指します。 現在の体育の授業では、「できる子どもたちの能力を高めること」「競争すること」に焦点が当てられており、発達性協調運動障害の子どもたちにとっては、失敗体験の連続で「二度とやりたくない」という気持ちを抱いてしまうのではないでしょうか。本来は、楽しく運動を行いたい気持ちがあるのに、「比べられた」「できなかった」の連続で自信をなくすような二次的な影響がでないように、社会の理解と支援が深まるように望んでいます。 最後になりましたが、書籍の刊行に合わせて、円卓会議の機会をいただきました、イー・ウーマン代表取締役社長の佐々木かをりさん、いつも的確に会議を進めていただいたスタッフの皆さま、そして、最終日までお付き合いいただきました参加者・閲覧者の皆さまに感謝申し上げます。1週間どうもありがとうございました。★古荘議長の過去の円卓会議より・運動は苦手でもよいと思いますか?・マスクを外す。精神的な不安ありますか?・自分は発達障害かも、と思ったことありますか?
★古荘議長の新著をご紹介します!
『DCD 発達性協調運動障害 不器用すぎる子どもを支えるヒント』古荘純一著
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