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会議番号:3063 開催期間 2010年11月08日- 11月17日
民主党にとって、予想以上に厳しい数字が出ましたね。世論調査で内閣支持率が急落しているのもなるほどと思いました。それにしても、尖閣ビデオは、野党にとっては絶好の、与党にとっては最悪のタイミングで、流出が起きたようで、一連の尖閣問題は、今年の10大ニュースに当確(倒閣ではありません)ですね。 日本外交にとっては、尖閣での船長釈放も、ロシア大統領の北方領土訪問も、手痛い敗北であることは間違いありません。しかし、「毅然とした対応」も、そう簡単ではありません。日本国民の誘拐が明らかになった北朝鮮による拉致問題は、自民党政権下でも進展しませんでした。まして今回は、突っ張れば戦争にもなる領土問題で、中国は経済も含めて全面的に争う姿勢を見せました。そんなときに、日本のどの政権だろうと、国民がすっきりするような解決はできないと思います。 今回の設問に「ノー」と答えたみなさんに問いたいのは、それなら、どうしたら良いのか、ということです。あのまま日本が突っ張れば、中国国内のホンダやトヨタの工場が次々にストライキで生産不能になるおそれは十分にありました。そのときに、日本国民は日本国内のどの中国系工場に押しかければいいのか。 経済は相互依存ですから、中国が日本に経済措置を取れば、中国も困ります。しかし、どちらが困るかというチキンゲームで音を上げるのは、どうみても日本ではないでしょうか。中国を生産工場として活用してきた日本経済の構造は、平時には強いのですが、有事には弱いのです。それでも、「ほしがりません勝つまでは」の精神で、日本はがんばれるのでしょうか。 リーマンショック以降、世界もそうですが、日本もそれなりに回復してきたのは、中国やインドなどアジア向けの輸出が景気を支えてきたからです。中国人の反体制活動家にノーベル平和賞を与えたノルウェーが中国に毅然とできたのは、この国の経済が中国頼みではなく、石油などで自立できているからです。日本がノルウェーのように「自立」しようとするなら、少なくともTPP(環太平洋パートナーシップ協定)で1次産業も含め国際競争力をつけ、アジアのなかで自由経済の先頭を走る努力が必要でしょう。TPPはいやだ、中国やロシアには毅然としろ、というわけにはいきません。 経済だけでなく、もっと要の安全保障で、中国やロシアに毅然とするには、どうしたらいいのか、いったいどれだけの軍事費がいるのか。できることなら、こうした議論に陥らないで、もっとうまく、対中外交をこなせる術はないか、と私は思いますが、なかなか難しいですね。 米国の政治を見ていると、このところ野党になった党は必ず政権の対中国外交の軟弱ぶりを批判します。そして、野党が与党になると、しっかりと妥協するところは妥協して、中国への軟弱ぶりを見せています。中国外交に頭を痛めているのは日本だけではないと思います。
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