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会議番号:3063 開催期間 2010年11月08日- 11月17日
日本は、太平洋戦争での敗北という経験から、武力という手段で国際政治(外交)を進めることを放棄しました。国民の大方の合意という意味では、この決意は生きていると思います。そういう制約というか決意のなかで、双方が譲らない領土問題で「毅然」とした対応を取ることはとても難しいと思います。 日本が外交の武器として活用してきた援助は、それなりの効果を上げてきたと思いますが、北朝鮮には本格的な援助の基盤となる国交がない、中国への援助(借款)は、相手が経済発展をしたため打ち切りました。「ぱーと救急医」さんが言うように、中国には恩義を感じてもらいたいのですが、日本の侵略による多大な犠牲に際して、恨みに対して徳で報いた(戦後賠償を求めなかった)のは中国だと言い返されると思います。 日中関係で大事なのは、「おれんじ78」さんが期待するように人間関係です。周恩来と田中角栄、胡耀邦と中曽根康弘といった関係でしょうか。外交人脈という点で、政権党の歴史がない民主党の力不足は歴然ですが、日中関係では、角栄直系の小沢一郎氏、日ソの友好に力を注いだ鳩山一郎直系の鳩山由起夫氏ら人材がいないわけではありません。小沢さんも、汚名挽回で、日中関係の改善でひと肌脱いだらと思うのですが……。 このところの日本外交の失敗で、気になるのは、「シルバ」さんが指摘するように、官僚が民主党政権にそっぽを向いて、重要な情報を上げていないのではないか、ということです。とくに、駐中国大使は民間からの起用ですから、官僚からすれば、民主党政権が国民受けを狙って、民間からしろうと大使を起用するから、日中関係がこじれている、というムードを作りたいのではと勘ぐってしまいます。 「首相動静」欄を見ればわかるように、外務官僚が頻繁に首相に面談していることを考えれば、大使が頻繁に帰国して首相に相談する機会があってもおかしくないのですが、それを阻害されているように思います。 一般的に、外交における武力は最後の手段ですから、それに頼らない手段はたくさんあり、それを使って国益を進めるのが外交官の役割です。「毅然」とは、こぶしを振り上げることではなく、国際的な信頼を得る理念を整然と説くことであり、いまの時点では、東アジアで新たな緊張をつくらないように、冷静に対応することこそ、「毅然」だと思います。「あきお」さんの言うように「まぁまぁ」ではなく、理のアピールです。 さて、尖閣ビデオの流出問題は、海上保安官が「自首」したことで、この保安官の行為は、国家公務員法(秘密保持)に触れる犯罪かどうか、という議論は出てきました。企業で働いている人は、職場の機密情報に接することもあると思います。 ということで、尖閣ビデオの投稿は、犯罪かどうか、議論してみましょう。
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