イー・ウーマン（ewoman）

日本農業の再生のチャンス（中尾ITC・熊本県・49）

農業の盛んな熊本に住んでいますが、あえて賛成とします。TPPへの加盟は、特に米作については大変な打撃でが、国全体からみた場合に農業の就業人口や生産高の割合は低く、加盟しないことによる経済の停滞はもっと打撃が大きいと思います。避けられないことであれば、どうすれば生き残れるか？という課題解決策に目を向けなければならない。または、スイスやフランスのような国策としての農業の道筋を示して再生するのが良いと考えます。

日本の農家は弱いのか。（marco302・海外・その他・39）

日本の農家が輸入品に負けるほどの品質だと思えません。もしそうだとしたら、政府が保護しすぎたために世界的競争力をつける機会を逃したのではないでしょうか。このTPPでは入ってくることも可能ですが、出ていくことも制限されません。これを日本の農作物を世界に売り込む良いチャンスととらえ、「安さ」の勝負でなく、「安全・品質・味」を売りにして、世界に飛び立ってほしいと思います。

賛成ですが……今すぐは危険（sweetsweet・三重県・41）

地球人として考えれば、ごくあたり前なのかと思います。それに、今、関税0の国が非常に貿易が盛んですよね。でも、今すぐは非常に危険だと思います。何も身につけていない子が外にほり出される様で！だから、子どもから大人まで再教育が必要だと思います。日本の優れた食文化や、経済も小さい時からもっと簡単に教え、そして、自分本位にならない倫理観を持たせること。そうすれば自ずと日本の素晴らしい米を買う人ようになると思います。政府は言い放しはやめて欲しいです。

農業の現状を白日の下に（たつや・静岡県・57）

TPP参加か農業保護か、議論をしようにもあまりにも情報が乏しいと感じる。国という枠にとらわれずに人や物・サービスが自由に出入りできるエリアが広がることは、小さな国土しかもたない日本にとってとても大切なチャンスだと思う。同時に、食料安全保障の観点から農業が大切であることも事実。しかし、稚拙な二者択一議論で将来へのチャンスを逃したら、それこそ日本は世界から取り残された島国になってしまう。農業問題をきちんと捉え、ともに活かす道を考えたいと思う。

第1次産業の輸出政策を（紅茶博士・東京都・43）

TPPの参加に賛成です。民主党政権が掲げていたマニュフェストの一つに「農業政策の改善」ということがあったと思われます。ミシュランの星の数等で日本の料理人、食材の素晴らしさは十分アピールされていると思われます。高級食材として競争力のある農産物生産能力を活かす政策を掲げれば、農業従事者にとってもTPPへの参加は「チャンス」ではないかと私は考えます。良いところがまったく見受けられない民主党政権、これくらいは実現をしてほしいです。

食の安全は別の問題として（BUNBUN01・長野県・41）

輸入した原料を加工して輸出する産業に頼っている現状を考えると、TPPに参加しないことで、製品の競争力が落ちるのは脅威です。ただ、安全保障や食の安全は、国内生産の農産物で守らなければならないと思います。日本の消費者は多少高くても安全な食品を選ぶ傾向にあると思うのですが、アメリカのバイオテロ法の様な法律を設けて、製造、輸入の食品に関わる海外の工場、生産者登録させ、審査を厳密にした上で、さらに農家が生産する意欲を失わないような方策を練らなければいけないと思います。

前提条件が必要。（kazuoi・30）

何でもそうですが、政策実現に必要な前提条件を作った上で、実行に移すというサイクルが必要なはずなのに、ここでもその前提条件というものが抜けていると思う。まず日本の農林水産業の方向性を確実に定める必要があり、その上でのTPP参加なら議論の余地はあると思う。しかし、単に参加・情報収集のために会議出席など、全てのサイクルにおいて前提条件の作成が抜けている。そういう中で議論をすること自体、私はナンセンスだと思う。まずは、日本の農林水産業の将来性をきちんと作らなければ。

TPPに参加する目的が不明確（あるばーと・神奈川県・43）

加工産業・輸入業界が求めている「自由化」論議と、隣国の韓国に遅れをとるまいという風潮に、なんとなく世論が流されているように思えてなりません。例外を認めていないTPPは、非関税障壁で守られている保険や金融などについても完全に自由化されてしまいます。これまでの国政保護策が生活者にとって有益だったのか、判断が難しいところだとは思いますが、あまりにも稚拙で安易な判断をしているようにしか思えません。TPP参加へは断固反対です。

食料の安全保障と農のローカル化（sustainable・愛知県・47）

TPPに反対。日本のあちこちに小規模でもたくさんの有機農家が存在していることが、50年のスパンで食料を確保していく上で必須だと考えるから。生産コストを下回る安値でダンピング輸出している欧米の農産物輸出国も、いずれ水不足で輸出する余剰はなくなると聞きます。私は、農業の大規模化推進や自由貿易化より、フードマイレージの低い地域循環型農業が大切だと思うので、地域の農家を応援するために、地域の有機農家さんの宅配サービスを利用しています。

あまりにむちゃくちゃでしょう（maronhappy・東京都・40）

私には、菅総理は自分の地位確保を優先する政策をとっているに過ぎないように見えます。自民党政権来、外交が下手だった日本が良い顔をするにはこれが切り札とでも思っているのでしょうか。投票結果も賛成が多くて失望を感じます。何故第一次産業を重視する方へシフト出来ないのか、エコとか流行語のように軽く語っているけど、楽しくやる工夫は大切でも、もっと真剣に深みのある情報交換をして勉強しないと、日本がダメになると思います。こんなに自給率が低下しているのに、農家に金だけばら撒く政治には待ったをかけたい！

TPP参加賛成の方も反対の方も、やはりいちばん気になるのは農業、もっとはっきり言えば食糧の自給率なのでしょうね。自給率はどうでもいい、外国から安い農産物を買えばいいというある意味「極端な」自由化論者は非常に少ないのだろうと想像します。

そうすると、たとえば10年かけて関税をゼロにして農業、とりわけコメ、牛肉、酪農などがやっていけるのかどうかということが焦点になります。もちろん、何もしなければ農水省が言うように現在40％の自給率が14％になってしまうかもしれません。
 
大規模化して価格競争力をつけるのか、あるいは農業を税金で維持する仕組みにするのか、というのが選択肢でしょうか。もちろん両方を併用するということもありえるように思います。

消費者の立場から言えば、農産物全体の価格は自由化によって安くなっても、税金で農業を維持するという仕組みを受け入れるのかどうかということになります。紅茶博士さんのおっしゃるように品質が高く安全な農産物を輸出するというのも一つの方法ではありますが、それで日本の農業全体を維持できるとは思えません（外には高く売って、国内では外国産並に安くするというのはおかしな話でもあります）。
 
それにsustainableさんが言われるように外国も、いつ農産物とりわけ穀物を「禁輸」するかわかったものではありません。現に一昨年だったか穀物が高騰したときにはインドなどで国内消費を優先するために輸出禁止の措置が取られました。ですから国内農業というものを何とか維持しようという議論があるわけです。実際の同じ島国のイギリスの食糧自給率は約70％です。
 
「ばらまき」と言えばその通りですが、少なくともやる気のある農家を守らない限り、農家の後継者は少なくなるばかりです。現在の日本の農業は、衰退への道をまっしぐらに進んでいるという声を、農業生産法人を運営している農家から聞いたことがあります。この生産法人はかなり田畑を預かってかなり大規模に集約してやっていますが、そこですら「これ以上、田んぼを引き受けられない。赤字が増えるだけ」と悲鳴をあげています。
 
もちろん全部が全部そうではないのでしょうが、集約できない中山間地の田畑が品質だけで外国産と競争するのは無理ではないかと思えます。

さて皆さんにお尋ねします。農業問題もさることながらあるばーとさんが言われるように、TPPでは金融なども自由化が求められることになります。そうなると大問題の一つがゆうちょ銀行とかんぽ生命です。民主党政権は、小泉内閣の郵政民営化の流れを押しとどめ、どちらかといえば元に戻そうとしているかのように見えます（ただし法案成立の見通しは立っていません）。
 
皆さんは、この郵政民営化についてはどのようにお考えですか。民営化を推進したほうがいいのでしょうか、それとも民営化はしないほうがいいのでしょうか。

• 2010.11.24
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹