イー・ウーマン（ewoman）

ダイレクトに（しろえちゃん・宮城県・54）

積立NISAをしていますが、目に見えて評価額が小さくなりました。長い目で積立ているので、想定内ですが、やはりあの発言力は大きい。自国を守る？自分の立場を守る？の考えからだとは思いますが。行動力は日本人として、見習いたい部分ではありますが、今後も注目です。

新NISAへの影響（ちゅま・東京都・52）

ニューヨークダウ平均株価の下落を新NISAで体感しています。4年間トランプディールの嵐を乗り越えて花を咲かせることを願っています。

物価高（n.dan　・広島県・51）

物価高がまだまだ進んでいくのではないかと心配しています。アメリカ・ファーストなど、今までの価値観とは違ったことが、普通になってきている変化についていけてないです。

学術界でも世界的に影響（黒船・神奈川県・57）

米国は、これまで世界のトップ研究者や優秀な留学生も多く集まって研究を推進してきました。しかし、現政権は、多様性を完全に否定しているため、研究計画に関連ワードが入っているだけで研究費まで打ち切りになり、解雇された人達が大勢います。気候変動調査研究も同じです。そのため、国際共同研究ができなくなったり、米国で解雇された人達からポストの問い合わせがあったり、学協会から声明を発出したりしています。学術界では、ロシアのウクライナ侵攻時以上のインパクトがあります。

関税だけではない（おがわ・東京都・62）

米国に製品を輸出している会社に勤めているので、トランプリスクは大いに影響あると考えており、関税はとても気になります。また、公立の施設で突然予算がカットされて受注がキャンセルになった、という話が先日あり、こちらはトランプリスクかははっきりしないですが、対海外だけでなく、米国内でもどのような動きがあるのか、情報がほしいところです。

株価の暴落（DiamondBar・東京都・56）

トランプ大統領が関税について発表したとたんに世界中の株価が大暴落しています。確定拠出型年金の運用をほぼ株式にしていたので、このまま株価が下がり続ければ受け取る額が減ります。また、仕事が株式市場にかかわるものだけに、業界全体の景気が悪化してしまいそうです。トランプ大統領は、「株価はそのうち上がる」と言っていますが、アメリカ経済にとっても影響が大きすぎてマイナスにしか作用しないように感じています。

不景気が到来すると思います（blueberry53・大阪府・68）

トランプリスクは世界的な不景気到来により、私の生活にも影響すると思います。トランプ大統領の経済政策は国内重視というより経済がアメリカ国内で完結できるような考えがあるように思え、サプライチェーンや相互依存を無視する発想があるように思います。今までの貿易を前提とした世界経済秩序を壊そうとしていると思います。ただ、救いは、米国中間選挙が近づくにつれて国民の不満が高まり、部分的にでも解決していくと思うので、その流れに乗り遅れないような対応が大切になると思います。

今回は、議論する３分野のうちの１つ目、「経済」の影響についてお聞きしました。トランプ大統領の猫の目指令で、金融市場が混乱しています。トランプリスクを実感した人も多かったと思います。「積立NISAをしていますが、目に見えて評価額が小さくなりました」（しろえちゃん）、「株価の下落を新NISAで体感しています」（ちゅまさん）、「確定拠出型年金の運用をほぼ株式にしていたので、このまま下がり続ければ受取額が減ります」（DiamondBarさん）などの声が寄せられました。トランプ政権の続く限り、金融市場のボラティリティ（Volatility）は高いままに推移し、私たちの金融資産も不安の程度が増すことになりそうです。
 
「米国に製品を輸出している会社に勤めている」（おがわさん）という人は、たくさんいると思います。米国の関税引き上げは、輸出減や利益減につながり、輸出企業を直撃します。米国で売りたければ工場を米国内に移せ、とトランプ大統領は言いますが、工場の移転はそう簡単にできる方策ではありません。経済的な効率性は、国際貿易にあるからです。
 
「物価高がまだまだ進んでいくのではないかと心配しています」（n.danさん）という声もありました。米国民の衣類や雑貨などの生活用品は中国製の産品が支えていましたから、中国との完全戦争の余波が米国民の生活を直撃するのは明らかです。日本国内でも、サプライチェーンに中国部品が入るiPhoneなどの米国製品が高くなるのは必至ですが、米国内のインフレは、米国産の農産物などにも波及し、米国産品の輸入を通じて、米国のインフレ圧力が日本国内にも及ぶことになるでしょう。
 
関税が高くなれば、貿易が鈍り、景気も悪くなります。「トランプリスクは世界的な不景気到来により、私の生活にも影響する」（blueberry53さん）という懸念は、理にかなっていますね。1930年代に、米国がスムート＝ホーリー法で保護貿易に走ったことが、世界恐慌を深化させ、第2次大戦の遠因になったことを想起させます。
 
米国が一連の関税措置を発表して以来、日本を含め多くの国が米国との「協議」を求めています。トランプ政権は、これがディール外交だと自慢していますが、一方で、トランプ大統領は「革命」という言葉を使って、関税政策がディールを得るための手立てだけではないことを示しています。
 
トランプ革命は、関税だけではなく、政府機関の削減や廃止で、予算を圧縮しようとしていますが、この余波がさまざまな研究機関にも及んでいます。「学術界では、ロシアのウクライナ侵攻時以上のインパクト」（黒船さん）というコメントもありました。私は、もっとも良質なシンクタンクであるウィルソンンセンターが閉鎖されるというニュースに接して、これは「文化大革命」だと思いました。中国の最高指導者だった毛沢東（1893～1976）が死去するまでの10年間にわたって主導し、中国を大混乱させたあの政治闘争のことです。
 
中国の文化大革命は、国内の経済や学術を大きく停滞させましたが、経済でも軍事でも世界トップの米国で進行するトランプ革命は、世界に影響を及ぼしています。そこで、経済面に続いて、トランプリスクの「安全保障面」での影響について考えたいと思います。あなたには、どんな影響がありますか。また、日本の平和を維持するために、どんなことを国に求めますか。みなさまからの意見を求めます。


★高成田議長の過去の円卓会議より
・自民党を変える候補、いますか？
・香港に国家安全条例、中国は大丈夫だと思いますか？
・政治に“裏金”（不透明な資金）は必要だと思いますか？

＜運営事務局より＞
・4月25日（金）まで全4回、毎週金曜に議長コメントを更新します。それを受けた投稿を、水曜朝までを目処にお送りください。水曜午後以降でも次回に掲載されることがありますので、ぜひご投稿ください。
・投稿は、お一人お一人の視点や体験を言葉にしていただく、大変貴重なシェアリングです。
自分を主語としたI statement で書いてください。掲載する投稿は、「私は」を主語に変更させていただく場合もありますのでご了承ください。
・引用がある場合は、必ず引用元を明記してください。
・議長からの各日の投げかけ（赤字部分）に答えた内容で投稿してください。

• 2025.04.11
• 高成田享 コラムニスト、元 朝日新聞論説委員