働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3092 開催期間 2011年04月25日- 05月02日
皆さん、こんにちは。日経の関口です。今週も一週間お付き合い下さり、本当にありがとうございました。情報の片付けが「上手にできている」という方は最終的に14%でしたが、皆さんが色々工夫をされていることがわかり、私自身も大変勉強になりました。 今回のテーマで私がコメントさせていただくのは本日が最後になります。Coco Bennieさんのご意見にもありましたが、断捨離といっても、頭でわかっていても、なかなか情報を捨てるというのは思い切りが必要ですよね。私は前回も申し上げましたように、「情報は基本的にはデジタルデータ化したら捨てる」というのを原則にしていますが、実は捨てられないものもあります。 まず、ひとつは二度と手に入らないものです。恐らく、それは情報の内容というよりは、情報を記した紙や本そのものに価値があるからだと思います。例えば表彰状のたぐいはスキャンしても捨てる方はまずいないでしょう。ラブレターなど大切な人にもらった手紙なども、現物があって初めて意味を持ちます。ですから、情報を捨てる前に、代替物が手にはいるかどうかを自問してから行動に移すのがいいでしょう。 私は名刺は基本的には捨ててきましたが、最近は少し考え方が変わりました。というのも、ビル・ゲイツにも何度か取材をしましたが、その時にもらった名刺をスキャンしてしまったので、ほしいという人にあげたり、捨てたりしてしまいました。今、思えば、マイクロソフトの現役CEOだったころの名刺はもう手に入らないわけですから、とっておいたほうがよかったのでしょう。最近では、これはという方の名刺はデジタル化しても原本をちゃんと保存しています。 それから昔、真面目に勉強をしていたころ、いろいろ書き込みをした本も捨てられませんね。どんな本でも、市販の本なら、後でブックオフなどで探せば手に入るかと思います。しかし、その時に自分がどう思ったのか、という自筆のコメントが記された本は世界にひとつしかありません。そう意味では二度と手に入らないものですから、とっておくのがいいと思います。 もうひとつの視点として大切なのは、とっておいた情報もしばらく使わなければ二度と使わない可能性が高いということです。これは野口悠紀雄先生が『「超」整理法』の中で指摘されていることですが、ファイルフォルダに資料を整理して時間軸で並べておくと、要らない情報はどんどん端に押しやられるということとも同じです。ただ、デジタル情報であれば、場所はとらないわけですから、二度と使わない情報でも、とりあえずはデジタル化してディスクの中に収めておけばいいのではないでしょうか。 最後に、ニューヨークさんが指摘されている電子フォーマットの問題も重要なポイントです。私がIDレコーダーで録音したインタビュー記録も、ウィンドウズのOSを最新版に改めたところ、専用の再生ソフトがインストールできないことに気付きました。とりあえずは何とか対処しましたが、時期をみて、フォーマットを変更しなければならないと思っています。メーカーさんには新製品開発も大切ですが、こうした互換性も重視してほしいと思います。さらにいえば、CD-ROMなどの記録メディアはだんだんと劣化していきますので、保存する媒体などにも注意が必要でしょう。 今回は毎回、コメントが長くなり、申し訳なく思っています。しかし、情報の片付けは、私自身にとっても永遠の課題でしたので、ぜひ皆さんのご意見をうかがいたいと思った次第です。また近い将来、このテーマについてイー・ウーマンの皆さんと意見交換ができれば幸いです。一週間、本当にありがとうございました。また、イー・ウーマンの円卓会議でお会いいたしましょう。 ★ラジオNIKKEI「アサカツ!!」(月~金7:35-8:00)で、4月の毎週木曜日に関口和一さんが登場し、ご自身の著書『情報探索術』(日経文庫)をベースに情報の捉え方とその向き合い方、整理整頓の方法、活用の仕方をお伝えしました。ポッドキャストも公開されていますのでぜひお聴きください。
※関口さんの最近のご著書: 『情報探索術 』(日経文庫)
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