イー・ウーマン（ewoman）

仕事を選ぶ、そして断る。（エズ・京都府・35）

以前は依頼のあった仕事はほとんど断らず、できる限り請けてきました。ですが、子どもが生まれ自分だけの時間が限られた今、同じように依頼のあった仕事を全部請けていると、時間が足りません。そこで、依頼していただいて嬉しいという気持ち、もっとたくさんの仕事をしてみたいという欲求はあるものの、全力で取り組めそうにない仕事は、勇気を持って断ることにしました。そうすることで、今請けている仕事に対して全力で取り組め仕事の質も上がり、ストレスも少なくなったように思います。

ワークライフバランスで（三姉妹の母・京都府・44）

勤続21年目になり、これまで仕事を最優先にしてきた自分から脱却。ワークライフバランスを意識して過ごそうと決めた年であり、キャリアアップにもつながる資格取得に向けた学習時間を組み入れました。また、プライベートではいましか関われない次女（高２）の部活動の保護者会長を引き受け、異業種の保護者さんとのかかわりが持てたことで、仕事面においても広い視野で物事を考えられるようになったことは大きいです。

新事業の展開を始めました（mr-mama・北海道・36）

今の会社に転職して2年、歯車としての自分ではなく、エンジンとしての自分を実感し、落ちていく一方の企業実績の打開策としてクラウド事業の展開を会社に提案してきました。社会人になって初めて事業の立ち上げや軌道に乗せることを経験しましたが、いろいろな人との出会いがあり、またお客様からも教えられることが多い1年でした。何事も前進していかないと得られないことばかりでしたので、来年もその姿勢を忘れずに活動したいです。

短い時間で付加価値を出す（yokomit2・東京都・37）

私はコンサルタントという仕事をしているので、長時間労働が当たり前になりがちです。同僚が長時間仕事をする中、子どものためとはいえ自分だけ早く帰宅するしょうがないと理解をしてもらえても、繁忙期は嫌みも聞きます。今年は、出張や残業ができない代わりに、他の人ができないことをしようと仕事に関係する本を上梓しました。業務を減らさないよう睡眠は削らざるを得ませんでしたが、会社に貢献できたように思います。

人を育てる。（marco302・海外・その他・40）

一昨年の10月に現地法人の代表になり、経営に携わるようになりました。その分仕事のキャパシティが増え始めたのが、「人を育てる」ということ。今までもやってきていなかったわけではありませんが、外国人の部下に、それまでに自分がやっていた仕事が任せられるよう「人を育てる」ことに専念しました。その甲斐あって、自分の仕事量も減り、何よりも部下がやりがいを感じ、率先して仕事を遂行してくれるようになりました。どの国であっても、「企業は人なり」を実感した1年でした。

マニュアルを作成（パフィンドーナッツ・埼玉県・42）

業務マニュアルを作成。小さな事務所なので、1人で担当している経理業務。自分がいなくても、誰でも対応できるように作成。それに伴い、業務内容も見直し、業務のスリム化を実施。いつでも休める状況になり、更に業務も簡単スムーズになり、気分的にも楽になりました！！

ギリギリ目標達成（millionbell・59）

今年の初めに計画した仕事目標ですが、12月上旬にようやく目標達成できました。「海外での活動の足がかりを付ける」という目標でしたが、ギリギリ先日話がまとまりました。日本はこの一年、色々な意味で特に忘れられない一年となりましたが、来年も個人的にはもちろん、社会的な責任も含めて前向きな目標を立て、進んでいこうと思っております。計画というのは達成することにより、より意欲を持って次の目標につながりますので、絶対に必要ですね。

優先順位をしっかりもって（ayaPa・神奈川県・36）

私が地震に遭遇して感じたのは、いつハプニングが起こって、それまでやろうと思っていた大切なことができなくなるかわからない、ということです。なので、優先順位をしっかりつけ、大切なことは早めに、温めておいてよいことは後回しにする、ということを意識するようになりました。それに伴い、朝のうちに大切な用事をこなすので、午後、ゆとりを持って過ごすことができるようになり、残業も減り、精神的に楽にになりました。

職場はあるけど仕事を失った（るんちん・東京都・39）

希望していない異動があり、上司に「ここ（異動先）には仕事はない」と言われたため、職場に在籍はしているものの仕事がまったくなくなりました。一応サラリーマンなので、会社・上司に求められることをやった上で自分のやりたいことを主張しようと思い、上司と対話を求めました。が、そもそも私に求めていることがないという事実に気づきました。なのでこの職場との向き合いかたを変え、自分が今後何で生きていくのか、社外の方と出会ったり考える一年でした。

工夫はした。だが…（laila・東京都・41）

部署のメンバーの業務負荷状況を週単位で詳細に把握するため、所属長に提案し、個人の週間マンパワー計算ツールを作成しました。ところが、所属長の意向で、そのツール入力のための時間計算など、全ての負荷がリーダーにかかってしまい、結果的に実務を兼任しているリーダーにとっては単なる負荷の増加にしかなりませんでした。自分で自分の首を絞めてしまった形です。

今年、仕事で工夫をしてきた方が、8割強と圧倒的に多く、どんな工夫がなされているのか投稿を見るのが楽しみです。

全力で取り組めそうにない仕事は勇気を持って断ることにした、エズさん。「断る勇気」は時と場合によっては本当に必要だと頷いている方は多いのではないでしょうか。

自分のライフスタイルの変化に伴い、受け入れることのできる仕事の量や種類が異なっていくのは自然な流れだと思います。仕事や生活環境の変化によって、ワークとライフのバランスが変わっていくことなのでしょう。

ワークライフバランスという意味では、これまでの仕事最優先から脱却した、三姉妹の母さん。キャリアアップにもつながる資格取得に向けた学習時間を組み入れられたそうです。

お二人のように、仕事最優先のワークスタイルを脱却し、ワークとライフのバランスを保ちながら、仕事の可能性を広げていくことは仕事を続けいく上で、大切なことだと思います。

その他、新規事業を展開したmr-mamaさんやマニュアルを作成して業務を見直したパフィンドーナッツさんのように、などさまざまな今年の工夫と成果が見られます。

そして、震災に学んだayaPaさんは優先順位をつける大切さを指摘しています。メーカーで家電商品の開発を担当している女性研究員に仕事で工夫していることの一つは何ですかとお聞きしたとき、「優先順位を決めて自分のやるべきことを考えてから仕事に着手すること」と語っていらしたのを思い出しました。

確かに、人生や仕事において、想定外、予想外だったことが起きることはますます増えている気がします。特に今年は震災によってそのことを実感し、以前よりさらに、想定外に負けない自分をつくることの重要性を感じているところですが、みなさんはいかがでしょうか。

そこで、今年、仕事上で予定、予想していなかったことが起きたが、上司や知人に相談して切り抜けたなど、自分なりに対応して仕事を切り抜けた経験のある方は、どんな工夫を凝らして解決したのか、そして、その時何が重要だったと思ったか教えて下さい。

• 2011.12.21
• 田村真理子 日本ベンチャー学会事務局長