働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3760 開催期間 2024年10月11日- 12月20日
皆さま、今週は「『年収の壁』の問題点、ご存知ですか?」をテーマに投票、投稿いただき、ありがとうございました。結果は「YES」が91%、「NO」が9%でした。 ジュネーブで開催されている国連の女性差別撤廃委員会では、きのう、8年ぶりに日本の審査が行われました。1985年、「女子差別撤廃条約」批准に向けた国内法として整備したのが「男女雇用機会均等法」です。その同じ年に創設された「第3号被保険者制度」によりできたのが「年収の壁」。サラリーマンの夫を支える、一定の収入のない妻は社会保険料の負担なしに年金が受け取れる、という制度は、まるで『眠れる森の美女』の魔女の呪いのように、「女性は結婚したら夫の扶養となり『年収の壁』内で働く方が得」と、「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業意識を温存し、女性の働き方、生き方に影響を与え続け、日本の男女平等を眠らせてきたのは皮肉ですね。 そこで、今回の円卓会議の最後の質問は、「『年収の壁』、扶養の範囲内で働いた方が得」という、魔女の呪いを解くために、あなたができることは何ですか?」とさせていただきました。 パフィンドーナッツさんがおっしゃる通り「現在の税制や社会保障制度が現在の状況に見合っていない」のは明らか。「年収の壁」を特集するニュースを見ていたとき、高校生の娘に「社会保険料を負担しない人たちの年金は、誰が負担するの?」と聞かれました。少子高齢化で労働人口が減少するなか、若い世代の負担がこれ以上増えないよう、来年の「昭和100年」を前に、現状に合わなくなっている制度を見直す時が来ていると思います。 「国民全員確定申告」については、自民党総裁選で河野太郎氏が提案していましたね。確定申告をすれば、自分の納めている保険料や税金の額がわかり、意識を持つことにつながります。なぜ「年末調整」は会社がするのか。所得税の源泉徴収はなぜ始まったか。税について知ること、大切だと感じます。 そして、真打ちさんがおっしゃる「考え方の改革」、意識を変えること、重要ですね。私も、真打さんのように、若い世代に働きながら示していきたいと思います。 呪いを解くために必要なことをpagiさんが指摘してくださっています。それは、今の負担だけでなく、将来もらえる年金の額を知ることです。「年収の壁」を超えると、保険料を負担することになりますが、厚生年金の被保険者になることで、退職後の年金所得も増えます。自分は「年収の壁」を超えずに働いた方が得なのか。 東京都は「年収の壁」を超えて働いたらどうなるのか、など、生涯の収支をシミュレーションできる「イフキャリ」を公開しています。こうしたサイトを利用するなどして、実際どうなのか、真実を知ることで、魔法が解けるかもしれません。 n.danさん、建築業界には「社会人オープンデスク」という制度があるんですね。資格の勉強のために税金や社会保険のことを考え、一時的に扶養に入ったということですが、「リスキリング」が求められる時代、おっしゃるように、「自由に働ける雇用体系」があるといいですね。 そして、「使用者側として40年ずっとこの問題に悩んできた」というゆうゆうさん。「制度などそのものを根本から見直さない限り、女性全体の社会的地位は上がっていかない」。本当ですね。 wrennさんの、「『年収の壁』は、子育て中、親が家にいる状態を生み出すため」というご指摘。子育てや介護などのケア、福祉の担い手は個人、家庭、地域で、という「日本型福祉社会」で、主に女性がその担い手となってきた面があると思います。 最後に、シンゴパパさん(毎回の投稿、ありがとうございます!)がおっしゃるように、間もなく衆議院選挙! 国の意思決定の場にいる国会議員を選ぶ「投票」という行動で意思を示すことは重要です。 NHKの朝ドラ『虎に翼』で、主人公の寅子が「今明らかに目の前にある問題を、次の世代にそのまま先送りにしてくのが苦しい」と、おかしいことに、「はて?」と声をあげ、行動していました。 来年は昭和100年。時代に合わなくなっている制度や身近な問題、意識について、身近なことから「はて?」と声をあげ、次の世代のためにも、変えていけるといいなと思います。 この1週間、皆さんからたくさんのご意見いただき、声をあげ、行動していく勇気をいただきました。ぜひ、ともに「はて?」と声をあげ、変えていきましょう。ありがとうございました!!!
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