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会議番号:3760 開催期間 2024年10月11日- 12月06日
皆さま、初めまして。ジャーナリストの山本恵子です。8月末まで、NHKのジェンダー・男女共同参画担当の解説委員を務めていました。よろしくお願いします。 今回のテーマは「年収の壁の問題点、ご存知ですか?」です。 「年収の壁」というのは、年収が「106万円」または「130万円」未満など、一定の収入がない、会社員の夫に扶養される妻などが社会保険料を負担しなくても年金が受け取れる、という金額のボーダーラインです。 皆さんの中には、「年収の壁」を超えないように働いているという方もいらっしゃると思います。 その「年収の壁」について、ことし6月、政府が衝撃的な試算結果を発表しました。 子どもが生まれたあとも、夫婦とも会社を辞めずに正社員として65歳まで働き続けた世帯と、女性が出産で仕事を辞め、再就職しない場合の可処分所得の差は約1億6700万円! また、出産後パートで再就職し、いわゆる「年収の壁」内の年収100万円で働いた場合と「年収の壁」を超えて年収150万円で働いた場合の差は1200万円という結果でした。 実はこの「年収の壁」ができたのは1985年。「男女雇用機会均等法」と同じ年に創設された「第3号被保険者制度」によって生まれました。当初から賛否があったものの、厚労省には、男女の雇用機会均等が進めば将来的には意味のないものになりうるとの認識があり「当面の対応策」として導入された側面があるそうです。しかし、その予想に反して、この制度が今も「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業意識を温存し、女性の働き方や生き方に影響を与え続けています。 また、この「年収の壁」の存在で、賃金が上がると労働時間を短くする「就業調整」が起き、人手不足や賃金の抑制につながり、非正規雇用で働く人の貧困につながっているという指摘もあります。 そこで、今回は、「年収の壁」の問題点、ご存知ですか? をテーマに、皆さんの投票、そして、ご意見の投稿をお待ちしています。
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