イー・ウーマン（ewoman）

石原東京都知事が、いきなり「東京が尖閣諸島を買います」と言ったので、日本のほぼすべての国民がびっくりしたと思います。あの島が個人所有であることを知らなかったとか、東京都が買うってどういうこと？とか、ネット上では、こんなことができるのは石原都知事だけ、と持ち上げる人もたくさんいます。
 
現在、政府と所有者の間で賃貸契約が結ばれているので、それが切れる来年に買収するという話になっています。金額はまだ定かではありませんが、賃借料から逆算すると20億〜30億円ではないかと言われています。
 
もっとも、東京都議会がこの支出を認めるかどうかはまた微妙です。そのためかどうか猪瀬副知事は、民間（個人）から寄付を募ってはどうだろうという話をしています。要するに税金分が減れば反対しにくいだろうということでしょう。それに寄付を集めれば、尖閣諸島に対する国民の関心も高まることが期待できます。そして寄付が集まれば、政府はますます無視できないでしょう。
 
尖閣諸島は歴史的に見てもわが国固有の領土ですが、中国がどう反応してくるのかという問題があります。日中の間は、いつも微妙に火種があります。南京や尖閣諸島、レアアース、中国の軍拡、TPPなど、一歩間違えば、外交的に相当のマイナスになりかねません。そんな時期にわざわざ火をつけるような「買収構想」を打ち出して、都知事は責任を取れるのかということも言えます。
 
さて皆さん、都民であってもなくても、地方自治体がこういう島を買収するということに賛成か反対か、そしてその理由を教えてください。
よろしくお願いします。

• 2012.04.23
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹