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会議番号:3189 開催期間 2012年09月07日- 09月14日
資本主義対社会主義の東西冷戦が終わり、インターネットを通じて世界が結びつくグローバリゼーションの時代になって、モノも人も情報も、自由に行き交うようになりました。まさに「世界はひとつ」ですが、こうした流れに抗するように、自分たちの独自の領域を主張しているのが宗教や国家です。 旅行を楽しんだり、ビジネスを広げたり、グローバルな時代を享受していても、自分たちの宗教を侮辱されたり、領土をめぐり国家の威信が衝突したりすれば、流れは逆転します。尖閣問題は、日本の国有化によって、「衝突コース」に入り込んでいます。東京都による尖閣購入の動きに対して、野田政権のとった国有化による問題の鎮静化という意図は、まったく逆効果になってしまいました。みなさんからの意見にもあるように、いまさら後戻りできない状態です。 このままでは、中国の国家と国民による日本への「経済制裁」が広がりそうです。中国市場に頼らない日本経済という意見が出ましたが、これは「ゼロ原発」よりも厳しい課題かもしれません。リーマンショック以後の日本経済の回復を助けたのは、中国を含めたアジアとの貿易です。日本経済の発展シナリオは、アジアの経済発展を軸にしていましたから、その中核をはずしたシナリオを作り直すのは大変な作業です。 日中が国交を樹立した1970年代であれば、日本が尖閣を一歩も譲らない選択もできたと思いますが、現時点で、この問題で日本が突っ張れば、軍事的にも経済的にも、日本は大きな影響を受けます。経済発展と尖閣は別次元だという意見がありました。私もそう思いたいのですが、相手がそう思わなければ、尖閣を採って、経済発展を捨てる、ということになりかねません。 こんなことでもめるのなら、いっそ尖閣なんかあげちゃえ、という気持ちにもなります。竹島も、かつて、双方で爆撃して島をなくしてしまおうか、という話が出たことがあります。しかし、双方の国家の威信がからむと、そうも言えないでしょう。ここまでくると、期待したいのは米国の仲介です。米国は、尖閣を日中間の領土問題と認識していますから、日本側は「日中間に領土問題は存在しない」という原則を曲げる必要があります。そうなれば、国際司法裁判所という方策が見えてきますが、両国の政府が納得できるかどうか、わかりません。 このまま尖閣問題が「衝突コース」を進めば、日本の外交にとって、戦後、最大の危機になるのは必至です。それだけの危機感を持たなければならない問題だと思います。引き続き、注視し、戦争を避けるための声と知恵を出していきましょう。【高成田議長 過去の円卓会議より】東京電力による電気料金値上げ、仕方ないですか?日本外交、民主党で改善できますか?尖閣諸島。日中関係が心配ですか?
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