イー・ウーマン（ewoman）

この円卓会議で一人一票のテーマを取り上げていただくのも、今回で3回目となりました。
回数を重ねる毎に、この問題の本質について理解されている方が増えていることを実感でき、嬉しく思います。今回もどうぞ宜しくお願いいたします。
 
ちょうど、昨日、広島高裁岡山支部で選挙無効判決が言渡されました。この裁判は、今年７月に行われた参議院選挙区選挙に関する裁判です。
 
多くの方が誤解されているようですが、以前もお話したとおり、この裁判の目的は、判決主文としての「選挙無効」の判決を取ることではありません。
 
この裁判の目的は、判決理由に、「憲法は、人口比例選挙を要求している」旨明言された判決を取ることです。つまり、国民の多数意見＝国会議員の多数意見が保障されるような選挙「1人1票選挙」（または、人口比例選挙）の実現です。
 
国会議員は、判決の文言を、国会議員の利益を最大限尊重するような解釈で法改正を行おうとします。従って、人口比例を原則とする選挙区割りを立法させるには、判決文で、「人口比例選挙が憲法の要請である」という一義的なメッセージが必須になります。
 
そして、昨日の岡山判決では、まさに、この点が明確に指摘されました。
H25.11．28広島高裁岡山支部判決
 
憲法の、
①前文第1文（「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」）
②1条（「主権の存する日本国民」）
③56条2項（多数決ルール）
が、「人口比例選挙の保障」を定めています。

判決文16頁5行目～17頁下13行目の「第3 当裁判所の判断」1、2がその核心部分です。A4一枚分ぐらいの分量ですので、じっくり読んでみてください。
 
一昨日から、参議院では、秘密保護法に関する審議が始まりました。国会で制定される法律は全国民を等しく拘束します。
 
では、みなさんにお聞きします。
憲法で一票の平等（人口比例選挙）が保障されていること、ご存じですか？
判決を読んだ率直な感想、または違憲国会議員による立法についてのご意見などを投稿してください。



★升永議長の過去の円卓会議より
・一人一票のニュース、理解していますか？
・日本は一人一票でないこと、ご存知でしたか？

• 2013.11.29
• 升永英俊 弁護士、一人一票実現国民会議発起人