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会議番号:3279 開催期間 2014年02月14日- 02月21日
円・ドル・ユーロの先行きについて、いろいろなコメントをいただきました。興味深いのは、コメントを書かれた方の多数がユーロ高を予測していたことです。 低成長、高失業、高インフレ、財政赤字といったイメージが付きまとっていた欧州ですがギリシャから始まりスペインやイタリアなどに広がった債務危機も落ち着き、ドイツを中心に欧州全体の安定度はましているように見えます。私が屋台で通貨を売る商人なら、「お客さん、ユーロを選ぶなんて、しろうとじゃないですね、お目が高い」と言って、ユーロを買わせます。 超金融緩和からの脱却をはかる米国も、景気の回復が確実になるにつれて、金融緩和を縮小していきますから、為替ではドル高になると思います。コメントにあったシェールガスも米国の貿易赤字を解消させるほどのインパクトがあるといわれていますから、これもドル高要因です。「お客さん、腐っても鯛、最後はドルですよ」と言って、ドル買いを勧めます。 円は不人気ですね。急速に円安が進んだのに、貿易収支は、原発事故によるLNGの輸入増大で、赤字が続くどころか拡大しています。自動車や家電メーカーなどが円安で利益をふやしている割には、国内の景気全体は、いまひとつという感じです。工場の海外移転が進んでいて、円安になっても輸出が増える構造が崩れているのかもしれません。 為替が安くなると、当初は輸入がふえるが、次第に輸出がふえてくるので、貿易収支は改善する。Jカーブ効果と呼ばれる経済現象で、もうとっくに現れていいはずなのですが、出てきませんね。経済学の教え通り、それが表れるとすれば、円高もありえます。円に手を付けたお客さんには、「お客さんJカーブ効果を期待しているんですね。そろそろですよ」と声をかけます。 八方美人ならぬ三方美人ですが、私の予測を言えば、ドル>円>ユーロですね。根拠薄弱ですが、1ドル=100円程度は納得できるのですが、1ユーロ=140円は、ちょっとユーロを評価しすぎという気がします。 エコノミストは、日米欧よりも、BRICSなどの新興経済諸国やアセアンなどのアジア諸国に着目して、こうした国々は、回復基調にある先進国経済との連動を離れて成長が鈍化するとみています。先進国経済が停滞するなかで、BRICSが急成長をとげたときに、先進国との連動から離れるという意味で、デカップリングという言葉がはやりましたが、ことしは、先進国のほうの成長が目立つという意味で逆デカップリングとか新デカップリングという言葉が広まりそうです。 エコノミストが経済予測をするときには、必ずリスク要因として、政治的リスクなど、経済だけでは予測できないものを掲げます。今回も予期できないリスクをあげるとすれば、なんといっても中国自身の政治問題と日中関係でしょう。安倍政権が鼓舞しようとするナショナリズムは、中国や韓国を刺激するだけでなく、米国を「失望」させています。戦略の大好きな中国ですから、それに乗じて、軍事的緊張をさらに高めるのではないかと心配します。 そうなったときのユーロ>ドル>円は、極端な円安になりそうですが、まさかお客さん、そこまで予測してのユーロ買いではないでしょうね。★高成田議長の過去の円卓会議より・原発の汚染水問題、理解していますか?・尖閣諸島、国有化に賛成ですか?・東京電力による電気料金値上げ、仕方ないですか?
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