イー・ウーマン（ewoman）

Web化による質の低下（imagadaiji・40）

紙媒体の持つスピード感が、人間が持つ本来の生活速度に合っていると感じます。新聞のWeb化によって、大量の情報を早急に脳に取り込む必要が本当にあるのかどうか、疑問に思っています。それに、最近は新聞記事そのものが、誰かが書いたブログの切り貼りのような印象を受けます。記名、顔写真入りの記事が増加する一方、質の向上は正直感じられません。紙媒体は手書きの情報の質を受け継ぎ、Webはキーボードを叩いてつくった情報と認識していますが、本質的に違うものだと思っています。

新聞の言葉の重み（OrangeAHK・神奈川県・29）

1年半前から日経新聞を、スマホの紙面ビューアアプリで通勤中に読んでいます。社内外の目上の方との話題や、情報提供の引用元の信頼性という点で日経を選んで、大正解でした。「日経新聞に載っていたんですけど……」と切り出すのと、「ネットで見まして……」と切り出すのとでは、相手の反応が明らかに違います。この自分の肌感覚を尊重すると、新聞の質、紙面の言葉の重みは落ちていないように感じます。

テロの影響で。（ゆみ子・愛知県・33）

フランスでのテロがきっかけで新聞記事を読み始めました。インターネットだと、情報のソースが不確かで信憑性が疑われる記事も散在しています。もちろん、新聞社によって、記事にもカラーがあるため、いくつか読み比べが可能なら、インターネットも利用しています。興味深いことに、日本人人質事件の内容が、BBCなど海外メディアだと、非常に客観的に報道されていました。だからこそ多角的に物事を判断するために、色々な新聞を利用したいと思っています。

新聞というより、記者の質（Nyaon.・兵庫県・41）

紙面をそのままスマホやタブレットで見れるようになり、通勤時の読み物はスマホから新聞に変わりました。最近、よく感じることは、新聞記者の質の低下によると思われる誤認記事も多く出ていて、記者の質が落ちていると感じます。新聞記者の質の低下が新聞の質を落としているのたど思います。読み手もあふれる情報の中で、情報の真偽や軽重を正しく見極める力、メディアリテラシーを身につける必要があると思います。

自分の読み方が変わりました（たろまる・東京都・37）

高校までは東京新聞、大学生からは日経を、見出しだけ読むも含めて読み続けています。以前は自社の業界情報以外は「ふーん、そうなんだ」という状況でした。3.11以降は発電所事故、慰安婦問題などにより新聞への信頼性はゆらぎ、そのまま受け止めるからクリティカルに読むと変わりました。偏った印象をうける記事を見かけることもあります。質が落ちているかは現時点では私には判断できませんが、主体的に読むことで自分にとっての新聞の価値は上がったように思います。

読者に媚を売っている？！（ayaPa・神奈川県・39）

毎日、日経新聞を1時間読みます。役員の方々と接しており、新聞記事は日常会話によく登場します。知っていないと、恥をかいてしまいます。昨今、新聞の質が落ちているのは感じます。文字サイズを大きくし、文字数を減らし、読者の負担を減らしています。難解な言葉でなく、平易な言葉で、説明文ではなく会話形式にして、伝わりやすくしています。これでよいのでしょうか。日本人の民度がどんどん下がっていきます。多少難しくとっつきにくくても、美しく、優れた文章を守って欲しいです。

昔も今もだが、最近特に思うのは（costas・東京都・48）

最近でなく昔から、限界はあったと思います。強制連行誤報のあった90年代以前は、読者を啓蒙する的エリート意識や、特ダネ特オチ最優先の競争意識（横山秀夫氏の小説に詳しい）。「最近」で言えば売上減に伴う生き残りのためか、今回の朝日叩きに嬉々として参じるなりふり構わぬポピュリズムや、経営幹部が政権と会食を繰り返す倫理観にも「質」の低さは感じます。そしていずれも、それを望んだり許容する、読者である日本人全体の「質」を写す鏡のようにも思います。

低下でなく、露呈したのでは？（くろねこやまねこ・大阪府・45）

SNSの普及によって新聞の質に問題があったことが露呈し始めただけではないのでしょうか。絶対的に低下したわけでなく、情報源が多様化してきた中で、新聞の質が相対的に低下してきた印象です。新聞社によって記事の論調に”左右”があることを受け止めたうえで、さらに書かれている記事の隅々にまで、事実であるのかどうか、推測や意見を交えていないのかどうか、批評的に読むように心がけています。

地方紙の内容に満足です（くみこさん・宮城県・37）

被災地の地方紙河北新報を1部とっています。今後の地域の復興も見据えると、他では得られない新鮮な内容として読んでいます。中央の政治やほかの地方で起こっている事件についても載っておりますし、被災地ならではのクロスした内容（他の過去に被災した地域の情報）も記事として取り上げており、読めるので、満足しています。読み手にとって必要な情報が習慣として得られることがその土地で暮らす人にとっては大切だと思います。

昔は気づかなかっただけなのか？（まうやん・東京都・43）

私が親元に居たときは新聞購読し、毎日読んでいました。その時は気づかなかったのですが、今現実的に自分の分野の記事が載っていると「うーん、そういう報道のされ方をすると困っちゃうなぁ」と思うこともしばしば。他の分野のことは判断に難しいこともありますが、自分の分野であれば、偏っているなと思うことがあります。わざわざ記者会見したり、意図的な報道の仕方を感じたり……ということは、ほかの分野も全てそうなのかと疑う事はありますね。

皆さんの投稿を拝見していると、いわゆるメディアリテラシーをしっかり押さえておられるようで心強いかぎりです。情報が本当かどうかというより、そこで起こっていることの意味は何かとか、これからどういうことが起ころうとしているのかとかを考えることが大事なのだろうと思います。その場その場の「脊髄反射」的な報道は、新聞であれテレビであれ、避けられないでしょう。でも重要なのは、皆さんが指摘しておられるように、そこから何を読み取るのかということでしょう。
 
もともと情報というものは、真実ではありえないのです。真実の一端かもしれないけど、真実そのものではありません。もちろんメディアの人間は真実に迫ろうと真剣に努力している人がほとんどでしょうが、それはある意味で完成形のない努力なのだと思います。だからこそ、いろいろな記事（日本のものだけでなく）を読み、複眼的に考えることで自分（読者）なりのイメージができればいいのかなと思います。
 
その意味では、新聞の記事とテレビの報道と最も違うところは、「読み直す時間」や「考える時間」があるということでしょう。imagadaijiさんの言う「紙媒体の持つスピード感が、人間が持つ本来の生活速度に合っている」というのはとても納得できます。あまり忙しがらないということも重要かもしれませんね。
 
さて皆さんにお聞きします。ネット時代の最も大きな恩恵の一つは、海外の情報が手軽に入手できるということです。無料の英語情報だけでもかなりの量がありますし、外国政府や国際機関は多くの情報をネットに流しています。一次情報という意味でも、データという意味でもとても役に立つと思います。

ただそういった観点から見たとき、日本の新聞や政府機関などは情報を十分に出していないようにも感じます。つまりたとえば元データを当たろうとするととても探しにくいと感じることがしばしばあるのです。皆さんはその辺りの情報収集についてどのように感じておられるでしょうか。


★藤田議長の過去の円卓会議より
・衆院選。注目している争点、ありますか？
・集団的自衛権行使容認、あなたは賛成ですか？
・特定秘密保護法案、興味ありますか？

• 2015.02.11
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹