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会議番号:3330 開催期間 2015年02月20日- 02月27日
皆さん、3日目も活発なご意見ありがとうございました。 マスクや水、衛生用品等を備蓄されている方がいる一方で、どのような備蓄品を?や、どの位の備蓄期間?など、さまざまな疑問を持たれている方もおり、興味深く拝見させていただきました。 2009年のパンデミックを振り返ると、ウイルスの病原性は、季節性インフルエンザのそれとほとんど変わりなく、それほどパニックにはならなかったと思いますが、それでも、マスクや水、手指衛生用品の品薄状態は報道されていました。 20世紀から現在までで、2009年のパンデミックを含め4回の新型インフルエンザが起きています。2009年の新型インフルエンザは、連日の報道でインパクトは大きかったですが、日本での死亡率は、非常に低く抑えられました。2009年の新型インフルエンザでの死亡率は0.00016%でした。(10万人の感染者のうち、死亡者は0.16人。) その一方で、1918年に起きた新型インフルエンザ(通称;スペイン風邪)の病原性は非常に高く、感染者数3000万人、死亡者数64万人と考えられています。死亡率は約2%、つまり、感染者100人のうち、2人は死亡しました。 ※毎年流行する季節性インフルエンザの国内の死亡率は0.01%です。 現在、日本を含め世界各国の新型インフルエンザ対策は、この病原性の高いスペイン風邪のデータをもとに、国民や経済、そして医療機関への影響を推定しています。 スペイン風邪が発生したシナリオを考えると、スーパー、百貨店、ガソリンスタンドなどは休業、開店しても物流が乏しく品薄状態です。学校は臨時休校、公共交通機関は間引き運転や運行停止となり、多くの企業は一部もしくは全面業務停止(各企業の業務継続計画にもよりますが)を余儀なくされるでしょう。病院は外来も病棟も患者であふれ、医療従事者も感染し医療レベルは低下することが予想されます。 そのような状況を想定した、個人でできる具体的な心構えと備蓄対策を、説明したいと思います。 まず、パンデミックが起きると、自然災害のように、一部の場所や地域のみが被害を受けるわけではなく、日本全国、全世界が数日から数週間のうちに、感染地域になるため、他の地域からの支援や救済を受けることが難しくなります。しかし、物理的な被害はなく、全国のライフライン(電気、ガス、水道、通信など)は社会機能維持者により最小限、細々と維持されるので、パニックを起こさないことや、過激な報道に振り回されないこと、そして不要不急の外出や行動の自粛や時間差の会社出勤など、皆さんの理解と協力で、一定の秩序は維持されます。 新型インフルエンザの対策は、いくつか特別なのも、例えば、マスクや手指衛生用品など、新型インフルエンザ対策に特別なものはありますが、基本的には自然災害の備蓄品を一つのモデルと考えていただければと思います。期間は、お住まいの地域にもよりますが、やはり2週間程度が良いのでは?と考えます。もし、余力があれば、さらに長期間の備蓄も良いと思いますが、コストもかかります。 今回は、新型インフルエンザの蓄え、という少し現実離れした議題だったため、全体像がつかみきれなかったかもしれません。病原性の高い新型インフルエンザは、まだまだ起きない、と思われるかもしれませんが、2000年以後、東南アジアや中東アジアでは、鳥インフルエンザウイルス(H5N1やH7N9)が鳥から人に持続的に感染していますし、新型インフルエンザ発生の歴史を振り返ると、10年から40年の間隔で必ず発生しています。 まずは明日から、皆さんが上記のような事態を想定し、個人でできる対策を、コツコツと進めていってみてはいかがでしょうか? ※厚生労働省が新型インフルエンザ行動計画を掲載しております。是非、ご活用ください。http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/jichitai20131118-02u.pdf 1週間、充実した議論、ありがとうございました。 ★田村議長の過去の円卓会議より・インフルエンザやノロウイルス、対策していますか?・インフルエンザワクチン接種、受けていますか?・マイコプラズマ肺炎、ご存知ですか?
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