イー・ウーマン（ewoman）

2017年4月から予定されている消費税10％への引き上げの先送り論が、官邸周辺から出てきています。その理由は、最近のわが国をとりまく経済情勢の急変を受け、デフレ脱却を確実にするため増税を見合わせる、というもののようですが、本音は、衆議院解散・同時選挙の大義名分です。つまり衆議院を解散するためにはそれなりの理由が必要で、それは、「国民に消費税率を法律通り引き上げることが望ましいかどうかの是非を問う」という、前回選挙と同じ理屈です。

アベノミクスは、当初こそ異次元の金融緩和による円安、輸出企業収益の拡大、期待による株高をもたらしましたが、その後は経済格差を拡大するなど、マイナス効果が出始めています。背景には、国民の不安が消費を抑えており、経済成長と分配の好循環が滞っているという事実があります。

そうであれば、消費税を予定通り引き上げて、子ども、子育て世代を中心に社会保障を確実・有効なものにすること、これこそが最大の景気対策だと思います。

皆さんはどう思われるでしょうか。消費税引き上げ。先送りに賛成ですか？　YES、NO、それぞれのご意見をお寄せください。一週間、議論していきたいと思います。


★森信議長の過去の円卓会議より
・軽減税率にマイナンバーカード。あなたは使いますか？
・消費税引き上げ、先送りが良いですか？（2014年11月）
・消費税8％。価格は、総額表示がいいですか？

• 2016.03.25
• 森信茂樹 東京財団政策研究所研究主幹、中央大学法科大学院特任 教授