イー・ウーマン（ewoman）

開催を支える人にもスポットを（ぺり・34）

もっと「仕組み」に目をむけることが膿をだすことに有効だと思います。開催地が決まる仕組み、エンブレムが決まる仕組み、選手選考の仕組みなどに関心を向ける機会です。オリンピックに出場する選手の話題はもちろんですが、開催を支える人々の活躍をもっと伝えてはどうでしょうか。オリンピック招致のプレゼンでも話題になりましたが、凄腕の方がたくさんいらっしゃるはずです。

大きなことほどお金が動く（ダンス・ダンス・ダンス・兵庫県・44）

オリンピック招致は莫大な経済効果があります。スポーツの祭典という、美しいイメージではありますが、それだけで招致活動にあれだけのお金、人財をさけるものでしょうか。きれいごとだけで事は運ばないと思います。あからさまな営利を目的にしないものほど、お金の動きは不鮮明で、うまく（ずるく）動いている人が多いと前職の教育職で痛感しました。仕方ないでは済まさず、Yes/Noの意見交換でなく、当事者の声を求めるにはどうしたらいいのでしょうか。

自主的努力のみと思います（blueberry53・大阪府・59）

公正な運営を進めるのならば、すべてをオープンにすることだと思います。金の支出を誰でもチェックできるようにする。また、恣意的な意思決定にならないように客観的な判断基準を公開し、各委員がオープンな場で議論し投票することだと思います。ただ、そんな方法に反感を感じる国の委員も多いのではと思います。現実的には、ロビー活動を含めオープンな方法に近づけつつ、開催国が開催コストを減らす自主的努力を進めていくしか方法はないと思います。

不正は良くないが死活問題（aaa11・海外・その他・46）

私は以下のように考えます。日本は高齢化、少子化で死活問題に直面している。子どもを増やすのは第一優先だが外国人の誘致もしていかなければならない。東京五輪は日本の将来の明暗を分ける重大なもので（都知事がとんちんかんな出費をしても）、国際的にも大成功を収めないといけない。そのくらい、日本は相当やばい状況だ。オリンピックを開催して世界からの注目を集め、シンガポールや香港からアジアの国際ハブを奪回、真の世界の中心へ早急に転換していかないといけない。

決算書（violet-m・神奈川県・45）

JOCのホームページで収支予算書を確認してきました。平成27年度の受取補助金等は59億円。平成26年度は決算概要も出ていますが、億のお金が「○○等」「その他」の記載で済まされています。他国の検察に指摘される前に、国内でチェックできる仕組みが欲しいです。「招致の手法を盗用されては困るので、明細は出せない」という政治家のような姿勢では、膿は溜まる一方だと思います。純粋に努力している選手のために、お金の動きはクリアにしていただきたいです。

監査報告を必須にする（DiamondBar・東京都・47）

国のお金が正しく使われているかとか、無駄がなかったかとかを会計検査院がチェックするように、五輪などの大きなイベントは、終了後にお金の使われ方や効果を検証する機関を必ず作り、報告書を公開した方がいいと思います。問題の発見は事後になってしまうかもしれませんが、後で必ず監査があるということが不正の抑止力やお金を効率的に使おうという意識につながってくれればいいと考えます。

調査・解明を（mayupyon・東京都・45）

そもそも私は五輪不要と考える者の一人ですが、今回の裏金疑惑に至る一連の問題でますますその想いを強くしています。五輪で日本のプレゼンスを高めるどころか、もはや逆効果！　膿を出すには、まず2020東京五輪は返上し、徹底的に「第三者機関」による調査・解明を行うことが必要ではないでしょうか。その上で、本当の意味で「アスリートファースト」の五輪をJOCとして再構築する。そして願わくば、IOCには五輪の継続意義を問い直す議論を進めてほしいです。

全ての競技で膿を出せるか？（まうやん・東京都・45）

ある競技でドーピングやら誘致やらで不正が発覚したとしても、他の競技は「うちは関係ない」とシラを切るか、はたまたさらなる隠ぺいで誤魔化すか。結局はイタチゴッコになってしまう気がします。すべての競技とJOCやIOCが膿を出し切るのは不可能に近いと思えるので、ここは残念ですが全世界から五輪を中止に持ち込み、改めて考え直す機会を設けるしかない気がしてきました。それも難しいのでしょうか？

ドーピング揉み消し問題（BUNBUN01・長野県・47）

長野五輪使途不明問題も田中康夫知事時代に調査をしようとしたら、書類を焼却処分してしまっていましたね。ソルトレイクシティ五輪の誘致賄賂問題が出て、関係者が「長野もやってた」と証言していたし、平昌五輪もファーストクラスのチケットを渡した（換金自由）との噂があります。IOC委員は欧米人には捜査の手が及ばないように操作しているみたいで気持ち悪いです。他の競技のドーピング回避疑惑も調査してほしいと思います。

国民が納得ゆくオリンピックにするにはどうすればいいのか。私はblueberry53さんが言われた「ロビー活動を含めオープンな方法に近づける」という考えに賛成です。
 
シンガポールの口座に2億3000万円を振り込んだことを招致委員の何人が知っていたのでしょう。決裁書にサインした竹田会長の記憶もあいまいです。一握りの人の判断で「事実上の買収」が行われた。コンサルタントと称する代理人に振り込めば、カネはどこに行くのか、当事者は知っていたでしょう。しかし知らないことにする。コンサルに渡った先は知らない、ということで罪の連鎖を遮断する。世の中によくある手法です。
 
送金した人は、さほどの罪悪感はなかったのではないか。東京開催が固まれば安いもの、と思ったかもしれません。招致委の幹部ともなれば東京開催を実現することがすべてです。結果が出なければ存在する意味はない。切羽詰まった思いでコンサルの要求に応じたのでしょう。
 
国民の側からすれば、そこまでして東京に誘致する必要はあったのか？
 
事件の誘因であるドーピング問題を調べた報告書にこんな記載があります。「トルコは国際陸連の大会に4〜500万ドルの寄付をしなかったことでデャアク会長の支持を失った。寄付を行った日本が開催の栄誉を得た」
 
2億円の前にも国際陸連に日本からカネが寄付として支払われていた、ということです。トルコは要求に応じなかった。その結果、敗退した。陸連に多額に寄付ができる国でないと誘致できないような五輪でいいのでしょうか？
 
aaa11さんのように「東京五輪は日本の将来の明暗を分ける重大なもので。国際的にも大成功を収めないといけない」という意見もあります。議論をオープンして、カネを払ってでも開催権を確保すべきだ、という意見が多ければそうすればいい。しかし、一部の関係者だけで決めるのは極めて危ない、と思います。
 
改めて皆さんに問いたい。「東京で五輪を開く大義は何でしょうか」。
50年前は日本の復興を世界に示す、という意義があった。都市インフラの建設という事情も絡んでいたでしょう。今は、東京一極集中が問題となり、地方都市の消滅が心配されています。五輪は経済効果がある、と言われますが、誰にとっての経済効果でしょうか。
 
東京に投資し、ハイライトを当てることが今の日本に最良の選択なのか。不透明なカネの是非と並行して、あなたの意見を聞かせてください。





★山田議長の過去の円卓会議より
・五輪・パラリン。アスリート・ファーストに戻せますか？
・本土の人は、沖縄に冷淡だと思いますか？
・安倍首相の外交、支持しますか？

• 2016.05.25
• 山田厚史 ジャーナリスト・元朝日新聞編集委員