働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3392 開催期間 2016年05月20日- 05月27日
東京五輪が迷走するのは「何のためにオリンピックをするのか」という基本的な考えが曖昧なまま、走り出したからです。 初めは「コンパクト五輪」といっていました。被災地への配慮です。津波や放射能の被害で困っている人が大勢いるのに、お祭りをするのは具合が悪い、と。 ところがどうでしょう。新国立競技場のドタバタが象徴的です。「関係者の要望を取り入れた」結果、工費が3000億円にも膨らんだ。そうです。要望を取り入れると豪華でカネがかかる五輪になってしまう。 「基本理念」がしっかりしていれば要望は取捨選択できます。しかし、コンパクト五輪は口実でしかなかった。本心は、立派な五輪、後世に残る五輪です。それはどんな五輪なのか。そこも考えていなかった。 「五輪」を口実にすれば、無理が通る。おカネがついてくる。関係者とは、五輪の恩恵を受けたい人です。立派な競技場が欲しい、街全体をきれいにしたい、儲け仕事に加わりたい……。どれも切実な願いでしょうが、「欲」が噴き出しています。欲を制御ができないから「不透明なカネ」まで出てきてしまった。 東京五輪は「関係者の、関係者による、関係者のための五輪」になりつつあります。 対極に「傍観者」がいます。普通の人は自分の暮らしに忙しい。選手の活躍ぶりは気になるけど、五輪の運営までは気が回らない。関係者は熱心、傍観者は無関心。その結果が東京五輪の迷走です。これは五輪だけの話ではありません。日本の民主主義の姿です。 世界を見渡すと、成熟した都市は、五輪から距離を置き始めています。政治の優先順位がきちんとしているからでしょう。 クーベルタン男爵が考えた「近代五輪」というビジネスモデルは、崩壊期に入ったようです。競技団体の腐敗がその象徴です。崩壊から新たな芽が生まれるかもしれません。 一週間、議論に参加いただき、ありがとうございました。★山田議長の過去の円卓会議より・五輪・パラリン。アスリート・ファーストに戻せますか?・本土の人は、沖縄に冷淡だと思いますか?・安倍首相の外交、支持しますか?
イー・ウーマン
表参道カレッジ
eshop
©2014 ewoman, Inc.