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会議番号:3396 開催期間 2016年06月17日- 06月24日
1日目より大変多くの投票・投稿をいただき、ありがとうございます。 皆さんの関心の高さを強く感じます。また、乳がん検診受診率も現時点で約69%と我が国の一般的平均値を大きく上回っています。 今回乳がん検診に関する検査の方法・間隔、受診開始年齢などのご質問を多くいただきましたが、まず検診について説明したいと思います。 検診は、対策型検診と任意型検診の2つに分けられます。 対策型は公費による補助の上に実施されるもので、対象集団全体の死亡率を下げることを目的に、市区町村などが行っている集団検診(住民検診など)です。そのため、公的な補助金が出るので、自己負担が少額あるいは無料で受けることができます。検査内容・方法も死亡率減少が示されている検査法が選択されています。 市区町村などの乳がん検診の案内が届いたら、検診を受診しようと考えている方は、この点「集団の死亡率を下げることが目的であること」をよく理解しておく必要があります。 一方、任意型検診は、人間ドックのように、個人が自分の健康を守るため、個人の病気の早期発見のために受けるものです。健康保険組合などから補助がでることもありますが、基本的に全額自己負担で、自分で検査項目を選び受診する仕組みになっています。 まず、一般的な乳がん検診の検査項目としては、マンモグラフィ検査(乳房レントゲン検査)と乳房超音波検査があります。 マンモグラフィ検査は、乳房の組織が柔らかいので乳房専用のレントゲン装置を使用して、左右別々に圧迫板で乳房を薄く押し広げた状態で乳房を挟み撮影します。一般的には、乳房全体を広く写し出す「内外斜位方向」の一方向を撮影します。さらに頭尾方向も撮影することで、乳房を三次元に捉える撮影を行う場合もあります。 圧迫に伴うある程度の痛みは発生しますが、圧迫をすることで、乳腺を広げ診断をしやすくする、被ばく量を減らすなどのメリットがあります。被ばく量については、自然放射線量に比べて低くほとんど心配ないとされています(東京―ニューヨーク間のフライト時に浴びる放射線量とほぼ同じとされています)。 マンモグラフィ検査では、腫瘤や石灰化(乳腺内にできるカルシウムの沈着物)などを写し出すことができ、その形や分布などによって、良性か悪性化を推測分類して、精密検査が必要かどうかを判断します。 乳房超音波検査は、乳房表面にゼリーを塗ってプローブという機械をあてて乳房の中の様子をみていきます。最近では、形態的変化だけでなく、腫瘤の硬さなども確認できる機能もあり、良悪性の判断の手がかりがより得やすくなりました。 では、いつからどの検査をどのような間隔で受けたらよいのでしょうか。対策型検診では、厚生労働省より「40歳以上に2年に1回マンモグラフィ検査」という「がん検診の指導指針」が出されています。任意型検診では特に明確な指針は示されておりませんが、一般的には、20~30代では乳腺量が豊富なためマンモグラフィ検査では精度が落ちることがあるため乳房超音波検査、閉経前~閉経直後は乳腺量が豊富な場合もあるため、マンモグラフィ検査と乳房超音波検査による検診、高齢者では検査の客観性からマンモグラフィ検査が推奨されることを参考に検査の選択をされると良いと思います。 また、妊娠中は、乳房の劇的な生理的変化により視触診では所見がわかりにくいため、乳房超音波検査によるスクリーニングが効果的と思われます。検診にもメリットとデメリットがありますから、たとえ任意型検診であってもある程度、医学的根拠をもった検診を受けることが大切であると考えます。 適切な検診方法は、年齢だけでなく家族歴、乳腺密度、月経歴、出産・授乳歴などにより個人差があります。ご自分にあった検診方法・間隔・開始年齢に悩む場合は、専門家のアドバイスを受けることをお勧め致します。 また毎年検診を受けていても、その間に急速成長を示すようなタイプの乳がんを検診で発見することは難しく、症状がでて受診した診療の場での発見が多いとの報告もありますが、まだこのようなタイプの乳がんのハイリスクグループの定義が明らかになっていないため、どのような頻度でどのような検査を受ければ早期に発見できるか明確になっておりません。現時点では年1回の検診とその間の自己検診が重要になってくると思われます。 若い年代のがんは、乳がん・子宮頸がんが多いことから圧倒的に女性に多い傾向にあります。働く女性の健康を守るために動き出している企業もあります。皆さんの周囲、勤務先などで、特別な取り組み、検診の補助など特別なサポートシステムなどがあれば教えてください。また、乳がん検診を受けておられない方は、検診はうけていなくてもセルフチェックは実行されているでしょうか? 皆さんの投稿をお待ちしております。★鈴木議長の過去の円卓会議より・過去1年、婦人科検診を受けましたか?・体調管理に漢方を使ったことがありますか?・女性の健康管理の補助制度、活用していますか?
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