働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3396 開催期間 2016年06月17日- 06月24日
現時点のピアの皆さんの過去1年の乳がん検診受診率は、70%と欧米の平均受診率に迫るレベルになっております。この受診率を達成している背景として、勤務先での婦人科検診を自己負担なし(おれんじ78さん)や自己負担2割(abbyiさん)で受診できることや、めぐっちさんのように春闘で女性社員全員の子宮頸がん検診、乳がん検診を勝ち取って受診率100%を達成しているなど、職場での補助制度が受診率を上げるきっかけとなっている例もあるようです。 補助制度だけを作っても利用されなければ意味を成しませんから、おそらく補助制度に加え、kyoko004さんの勤務先のように「乳がんについての講座」などを実施するなど受診に向けての啓発活動も積極的に行われていることと思います。 私自身もいくつかの企業において、乳がん検診や子宮頸がん検診の必要性も含めた働く女性の健康管理の講座を実施しておりますが、年々企業における働く女性の健康管理への取り組みが高まっているように感じています。健康教育がまだまだ十分でないわが国においては、企業がその役割をも担うようになりつつあるのかもしれません。 特に働く世代の女性が罹るがんで最も多いのは、乳がんです。乳がんはその進行度、治療法(手術、薬物治療、放射線治療等)などにより復職率は異なりますが、わが国においては、約60%が治療前と同じように仕事を継続、約15%が仕事を減らしながら継続、約16%が退職、というデータがあるようです。ただ、各個人により病気に対する受け止め方や、治療の副作用の出現の仕方が異なることから、同じステージ、同じ治療であれば、同じような復職率である、とは必ずしも言えないことも周囲は理解する必要があると思います。 仕事の中核を担う世代を失うことは企業にとっても大きな損失で、企業内で乳がん罹患率が上昇したことで検診補助を手厚くし、初期乳がん発見率を高めることにつながっている企業もあります。 海外在住のkkoさん、帰国時に人間ドックを受けたいとのことですが、日本人間ドック学会のサイトなども受診施設選びの参考になるかもしれません。地域別に施設が検索でき、また学会の機能評価を受けた施設であるかどうかも確認できます。 ななこさんからは、乳がん検診時の医師の乳房視触診の方法に関するご意見をいただきました。「がん検診のあり方に関する検討会」の報告書によると、「これまで日本では、マンモグラフィによる検診体制が十分にできていないことも考慮してマンモグラフィと視触診の併用による検診が推奨されてきた。しかし最近のマンモグラフィによる検診体制の整備状況を踏まえると視触診の必要性は薄れており、乳がんの早期発見という観点からは、しこりを発見する視触診は最適な方法であるとは言いがたく、死亡率減少効果が十分ではなく検診精度の問題点も指摘されている。仮に視触診を実施する場合はマンモグラフィを併用することとする」という記載もあります。 そのため、乳がん検診の検査項目から、視触診を削除し、画像検査への補助を手厚くする健康保険組合なども徐々に見受けられるようになってきたように思います。(繰り返しになりますが、検査方法・検査間隔については、対策型検診であるか、任意型検診であるかで、考え方は異なります。) しかし、kyoko004さんが行っているように、定期的な乳房のセルフチェックは重要です。普段から自分で自分の乳房を良く知っておくことが大前提であり、その上で①まず鏡の前に立って乳房をみること(右左差、表面のくぼみ、ひきつれなどはないか)②自分の指の腹3本程度で乳房を小さな円を描くように全周を触る③乳頭を上下・左右に絞って異常分泌物がないか確認する、というようなことを実施してみてください。 検診施設や、地域で開催される健康イベントなどでは、乳房の自己触診モデルが設置されていることが多いですから、機会があれば実際のしこりがどのように触れるのかぜひ体験してみることをお勧め致します。 今が健康(あるいは生活に支障がない)であると、日々の忙しさや、自分が病気になるわけがない、など色々と理由をつけて後回しになってしまうがん検診。受診率アップに向けての良い方策、受ける側からのアイデアをお待ちしております。また、海外にお住まいのピアの皆さんは、日本より受診率が高いがん検診の状況、理由などがわかればぜひ情報をお寄せください。 皆さまからの投稿をお待ちしております。★鈴木議長の過去の円卓会議より・過去1年、婦人科検診を受けましたか?・体調管理に漢方を使ったことがありますか?・女性の健康管理の補助制度、活用していますか?
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