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会議番号:3404 開催期間 2016年08月19日- 08月26日
どんなに障害の程度が重くても、必ず本人の「意思」はあります。それを大前提として、どうすればその意思の決定を支援できるかという、「意思決定支援」が検討されるようになりました。 イギリスでは、2005年に意思決定能力法が成立していますが、すべての人には判断能力があるとする「判断能力存在の推定」が基本原則であり、個別の案件で具体的に意思決定の可否を判断し、少しでも意思決定しやすい環境を整え、本人の理解を補助する方法を選ぶこと、原則として、本人の主観的利益(希望や思い)を客観的利益(家族や支援者の考え)よりも優先することなどが盛り込まれています。 今回の「津久井やまゆり園」の事件では、犯人の狂乱的な主観により、被害にあわれた方の主観的利益だけでなく、家族や支援者の客観的利益をも踏みにじる卑劣な行為であり、強い憤りを感じ続けています。 近年、障害者権利条約に批准、障害者虐待防止法、障害者差別解消法、障害者総合支援法などが制定され、障害者自立支援法、発達障害者支援法、障害者基本法、精神保健福祉法なども改正されました。すなわち障害者支援に政府機関も積極的に取り組む姿勢をとっているといえるでしょう。ちなみに、障害者基本法において「意思決定の支援」が法文化されており、障害者権利条約には、自分で決めるに当たっては最大限の支援を受けることができる、と謳っています。 気を遣いすぎずに普通に接することを心がけたい(kkoさん)、障がいをその人の一部として、個性として捉えて接する(mayupyonさん)、構えず、いつも通りに接する(真打ちさん)などの意見をいただきました。その心がけ自体は至極当然なことです。しかしながら、最後に辛目のコメントとなり申し訳ありませんが、その心がけだけでは、障害者への真の理解、支援につながっていないという現状が、さまざまな知見によって示され、法文化されていったのではないでしょうか。 私の近著、『発達障害とはなにか』の帯にも、「『個性』ではなく『疾患』として考える」と挑戦的なフレーズを掲げて、本文中に「誤解をとく」ことを記させていただきました。まだまだ円卓会議を続けたいところですが、次の機会には、「発達障害」に絞って皆さんと討論したいと考えています。 熱のこもったご意見をたくさんいただき、また、1週間辛抱強くお付き合いいただきありがとうございました。★古荘議長の著書をご紹介します【新刊】発達障害とはなにか 誤解をとく (朝日選書)【既刊】教育虐待・教育ネグレクト 日本の教育システムと親が抱える問題 (光文社新書)★古荘議長の過去の円卓会議より・病気か個人の問題か、迷うことはありますか?・「教育虐待・教育ネグレクト」について考えたことありますか?・自信をなくしている子どもを元気づける方法、ありますか?
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