働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3404 開催期間 2016年08月19日- 08月26日
本日も、多くの体験談や意見をいただきました。Yes、Noの投票も熟考いただいたうえで、熱く真摯な投稿が多数届いており、感謝いたします。 研究の話で恐縮ですが、私たちは子どものQOL(生活の質、生活の満足度)調査を行ってきました。QOLは多くの部分で幸福感に類似する概念とも言えます。身体障害、知的障害、発達障害、精神障害の子どもで、簡単な質問に答えることができる子どもにも調査を行いました。 その結果。障害の程度と幸福感は相関しない、むしろ、障害のない日本の子どもたちの方が、QOLが低い傾向にあることがわかってきました。YESの知世hさんから『本人が「不幸」を感じるのは社会で生き辛さを感じた時』という意見をいただきましたが、特に日本の子どもはそれを強く感じやすいということを示したものかと推測しています。一方で、障害があっても、周囲の理解があり、自分を肯定的に見てもらえると感じると、幸福を感じることができるのかもしれません。 余談になりますが、本人が最も幸福感を感じることができないのは「うつ病」です。抑うつ感が強いほど、QOLは低くなる傾向が強くなります。うつ病は、「病的に幸福感を感じることができない」ことが症状と言えるかもしれません。 重度の知的障害児や重症心身障害児は、調査することができませんが、家族からの報告だけでなく、「眼球の動き」、「表情の変化」、「心拍数や呼吸数の変化」などである程度推測することは出来ます。時には、幸福であるかどうかを超越して、障害者独特の自由な世界観を垣間見ることもあります。 近著『発達障害とはなにか 誤解をとく』のあとがきにも書きましたが、問われているのは「社会の許容度」の問題であると考えています。健常者の好奇の目、迷惑そうな顔、特別な目(やまぱんさん)、「生産的でなければ意味がない」という観念(tarbaganさん)などのご意見は、許容度の低い社会の一端を示し、同様に、「家族の許容度」と「家族を受け入れることのできる社会」も関係すると考えています。家族がまったく幸福感を感じることがなければ、障害者も幸福感を感じにくいのではないでしょうか。 次回は最終日です。障害者の意思をどのように尊重したらよいでしょうか? どのように接したらよいと思いますか? みなさんのご意見をお待ちしています。★古荘議長の著書をご紹介します【新刊】発達障害とはなにか 誤解をとく (朝日選書)【既刊】教育虐待・教育ネグレクト 日本の教育システムと親が抱える問題 (光文社新書)★古荘議長の過去の円卓会議より・病気か個人の問題か、迷うことはありますか?・「教育虐待・教育ネグレクト」について考えたことありますか?・自信をなくしている子どもを元気づける方法、ありますか?
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