働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3409 開催期間 2016年09月23日- 09月30日
皆さん、こんにちは。小児科医の田村大輔です。 今回は、今、猛威をふるっている「はしか」について議論したいと思います。 厚生労働省によると、今回の一連のはしか騒動は、7月31日、関西国際空港にいた少なくとも4人が、はしかに感染したことに端を発します。3人は19歳~30代前半の一般利用者で、残る1人が20代前半の女性従業員でした。4人のウイルスの遺伝子型は同じで、中国で流行しているウイルスでした。女性従業員は8月9日に発熱し、2つの医療機関を受診しましたが、はしかと診断されず、最終的には、8日後の17日に4か所目の病院ではしかと診断されました。 8月9日に的確にはしかと診断できていれば、今回のような感染拡大は防げた可能性は高いです。私が研修医の頃は、春から夏にかけて小児や成人ではしかが散見され、はしかへの関心も高く、はしか特有の症状を数多く経験しました。年間数十人、はしかの診断をした年もあります。 現在まで日本のワクチン接種率は年々上昇し、はしか患者数は激減してきました。平成27年は、全国の患者数は35名まで減少し、同年3月、世界保健機関は日本をはしか排除国と認定しました。知識と経験の少なくなった日本で、はしかを迅速にかつ的確に診断することは難しいのではと思います。 女性従業員から暴露された同僚や医療関係者らが8月27日以降、次々と発症し、また、一般利用者のうちの1人については、家族4人も感染し、さらに8月に行った千葉市のコンサート会場で、新たに2人の感染者がでました。現在まで、昨年の年間はしか患者数(35名)の3倍にまで激増しています。 なぜ、このようにはしかは一気に広がっていってしまうのでしょうか? 感染予防が難しいのでしょうか? 感染には「飛沫感染」「接触感染」という経路がありますが、実は、はしかはさらに、「空気感染」も起こします。くしゃみや咳で飛び散ったウイルスを含んだ水滴が時間とともに蒸発し、ウイルスのみが空中を浮遊して鼻やのどからすいこまれ、感染するのです。空気感染は、はしか、水疱瘡、結核だけです。 そこで、まず皆さんにお聞きします。はしかが空気感染すること、知っていましたか? そのほか、ワクチン接種のこと、症状のこと、診断のこと、治療のこと、もしくは、自分が罹患した経験など、色々な意見をお寄せください。 では、1週間よろしくお願いいたします。★田村議長の過去の円卓会議より・インフルエンザに備えていますか?・新型インフルエンザの備え、していますか?・インフルエンザやノロウイルス、対策していますか?
イー・ウーマン
表参道カレッジ
eshop
©2014 ewoman, Inc.