働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3416 開催期間 2016年11月11日- 11月17日
政敵への激しい口撃、自分を批判するメディアへの倍返し批判、特定の民族や国家への敵意の増長、SNSのつぶやきを活用、といったトランプ的手法は、いまや民主主義国といわれてきた国々のどこにでも見られる現象で、日本も例外とは言えないでしょう。トランプ氏のこうした手法は作戦であり、大統領になればまともな政策を実行する、といった楽観論も出てきていますが、選挙をプロレスにすること自体が民主主義を破壊することにつながるのではないでしょうか。 わが内なるトランプ現象にどう対応するか、「あらゆる情報を開示する」(Jerrybさん)、「(多様な価値観を広げるための)女性の活躍、移民の受け入れ」(ひるねさん)、(「不満のやり場」として)誰もが参加できる対話の場が身近にある状態をつくる」(mayupyonさん)、などの提案がありました。情報開示が広がれば不確かな情報に基づいたウソやデマを防ぐ力になるし、女性や外国人の社会参加を拡大すれば多様な価値観の浸透につながるし、社会的な不満を語り合う場ができることは草の根の民主主義を根付かせることになるでしょう。 民主主義の基本は、自分で考え、発言し、行動することで、政治家のパフォーマンスに劇場の観客として喝采を送ったり、罵詈雑言を投げかけたりすることではないでしょう。「自分たちの意思表明をするという文化」(シンゴパパさん)をどうしたら築いていけるのか、この円卓会議のような場が広がることも大事だと思います。 ところで、安倍首相は世界の首脳に先駆けてトランプ氏に会い、信頼を確信できる関係を個人的に築いたと首相は語りました。日本外交の勝利という評価もあるでしょうが、「民主主義の価値を共有するなら協力していくと、はっきり言ったドイツのメルケル首相から学ぶこともある」(mika88さん)」という意見に同意します。フランスのオランド大統領は、地球環境問題などについての意見交換を求める書簡をトランプ氏に出しました。米国に対しても言うべきことは言う、というのが欧州の存在感なのでしょう。「日本はこういう信念で価値観だからこうする」(ayako7777さん)ということを世界に訴えること、これが日本の自立の一歩でしょう。 私がいま考えていることは、みなさんからの提案にもありましたが、TPPを無理押しするよりも、ASEAN+3(日・中・韓)にインド、オーストラリア、ニュージーランドを加えた東アジア地域包括経済連携(RCEP)の実現に努力することが必要だと思います。経済的な相互関係を深めることが安全保障にも寄与することを考えれば、中国はずしのTPPよりも、中国を加えた関係を忍耐強く追求することが大事だと思います。まさに中国との「戦略的互恵関係」で、米国に対しても、「すがれば逃げる人と金」で、自立を示すときだと思います。 トランプ現象については、まだまだ議論を続けたい思いが残ります。一週間、お付き合いありがとうございました。★高成田議長の過去の円卓会議より・消費増税延期。安倍総理、信頼できますか?・中国と台湾の握手。これからの日中台の関係、気になりますか?・東北の復興支援、続けていますか?
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