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会議番号:3431 開催期間 2017年03月17日- 03月24日
昨日、石巻の仲卸も兼ねる鮮魚店に寄ったら、型のいい「メヒカリ」(アオメエソ)がたくさん並んでいました。メヒカリといえば、いわき市の「市の魚」になっているほどで、福島県の特産品のイメージがあったので、「福島産なの?」と店主に尋ねたら、「宮城産だよ。福島産は敬遠されているので、宮城産の注文があちこちから入るよ」と説明してくれました。メヒカリはもっとも早い時期に試験操業が認められた魚種のひとつで、それだけ早い時期から安全が確認されたということですが、「敬遠」される状態は続いているということでしょう。 さて、「東北の農林水産物。食べていますか?」というテーマの最後の設問として、さかなを取り上げました。食べ物についての安全・安心という意味では、いま市場に出ている東北・北関東の産品は、「さまざまなハードルを越えたもの」(真打ちさん)であり、福島に住む「すーにー」さんは「おそらく他県のどれよりも厳しい基準をクリアしたものだけが出荷できている」と言います。だから、「真打ち」さんは、「安全(数字)だけは人為的にならず、正直で確固たる姿勢を貫いてほしい」と、数字の偽装をしないように、生産者や販売者によびかけています。「violet-m」さんも、監視を怠り、基準値を上回るものが市場に出回れば、「検査しているものまで疑われる」として、モニタリングの重要性を訴えています。 安全、安心な食を届けるため、頑張っている生産者を身近にみている「すーにー」さんは「生産者の努力が安心の証しと思い地元の食材を選んでいます」と語っています。「安心」には主観が入りますが、「安全」は数字(放射能の測定結果)がもとになっています。「科学的な根拠のほうが大切だ」と言う「ゆみ子」さんは、「試験操業が(本格的な)水揚げの再開になり、福島県をはじめとした東北地方の経済効果が高まることを期待」と述べています。多くの消費者の声だと思います。 とはいえ、東北のさかなを食べているという人のなかにも、福島原発の汚水管理に不安を持っているひとはたくさんいます。「汚染水が海に流れないようにどのように管理するのか、危惧は尽きません」という「unagi」さんは、「調査結果を常に詳らかにし、豊洲のように不信をいだかれる事態に陥らないことを願います」と言っています。「DiamondBar」さんも「冷却水や地下水が今も海に流れ出ているような気がしますので、魚など海産物については不安を感じます」と語っています。こうした不安を払しょくするには、放射能の測定だけではなく、大元の汚染を断ち切ることが不可欠だと思います。 それができていない現状では、「魚、特に大好きな刺身は、選べる場合は東北地方は避けます」(hiro2さん)という声が出てくるのも仕方がないことかもしれません。「hiro2」さんは、「東北地方の生産者が人質に取られているような気がして心が痛みます」としながらも、「原発全般の政府へのささやかな抵抗です」と語っています。政府や東電には、重く受け止めてほしい言葉です。「kyoko004」さんは、原発事故という「未経験の事象に対して信頼に足る情報は無く、自己責任だと突きつけられている」と感じ、「安全な方向に振れて今の状態に至っている」と、東北の産品を避ける気持ちを語っています。これは政府や東電だけではなく、メディアや研究者にも突きつけられている問題だと思います。 「特に気にせず買うので、(東北の産品を)食べているはず」(あきんぼさん)というのが本来の正常な姿なんですよね。それなのに、数字を気にしなければならない状態が続いているのも事実。「長期間監視が必要なものをばら撒いてしまったことを重く受け止め、原子力発電を考えたい」(violet-mさん)という言葉がまさに重くのしかかります。 原発事故にからんで、東北の農林水産物について、一週間議論してきました。食べ物は毎日の生活に不可欠なものであり、まさに「命」にかかわることがらです。買うか買わないか、多くの方が自問しながら、悩んでいます。答えはありませんが、これも原発事故が引き起こしている問題だということを自覚していきたいと思います。一週間、議論に参加いただき、ありがとうございました。★高成田議長の過去の円卓会議より・原発差し止め、支持しますか?・東日本大震災から4年。風化したのでしょうか?・東北の復興支援、続けていますか?
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