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会議番号:3447 開催期間 2017年07月21日- 07月28日
もともと安倍首相が政権の座に返り咲いたとき、2012年末のことですが、打ち出したのが「3本の矢」でした。一つは財政支出、二つめが金融緩和、そして三つめが成長戦略でした。財政支出と金融政策はいずれも緊急避難的なものですが、一応はそれが功を奏して、株価は上がり、賃金も何とか上昇し、雇用もそれなりに復活しました。だからこそ、安倍内閣への支持率は高かったのだと思います。 しかし緊急避難であるはずの金融政策は、ずるずると大量の資金供給が続いています。アメリカは1年以上前に「量的緩和」から抜け出しました。金利の引き上げペースはゆっくりですが、いちおうは着実に通常の状態に戻りつつあります。欧州も量的緩和の出口を探るタイミングになっているようです。日本は、1990年からの「失われた20年」からなかなか脱却できないでいます。 問題は、ここからです。このような状態が続いたとき、私たちの将来に(私はそう先が長いわけではないので、正確に言えば、私の子どもたちの将来に)何が起こるかなのです。人口減少には歯止めはかけられないし、財政はほぼ破綻しかかっているし、企業は300兆円もの内部留保を貯め込んでいて使い道が分からずに悶々としています。大学の世界的なランキングはずるずると下がり、それに対して有効な手を打てないままです。小泉内閣は支持率の高さを誇りました。それは小泉首相が「自民党をぶっ壊す」と叫び、既得権益への切り込みを行ったからです。その最たるものが郵政改革でした。そして社会保障に関しても毎年の自然増を抑制する政策を取りました。その後の年替わり内閣ではこうした改革を行うことなど無理でした。税や社会保障改革のように国民に痛みを強いる政策を実行するには、支持率が高く、リーダーシップと将来社会の理念をもったリーダーが必要だと考えます。 それに今は、変革期ですから、今までとは違った理念を打ち出すことも必要でしょう。その意味で、安倍内閣が改造しても、国民を得心させるような結果にはなりにくいかなと思います。 ではどうしたらいいか。民進党などでは「解散」という声もありますが、都議選で執行部が揺らいでいるいま、総選挙で勝つなどというのは夢想でしかないと思います。では不満票の受け皿はあるのかということになると、「都民ファースト」を「国民ファースト」に衣替えした小池新党という声もありますが、こちらもそう簡単ではありません。人材が問題であることは維新を見れば明らかだからです。政治とは説得である、と日本をよく知るアメリカの政治学者カーチス教授は言いました。友人でもありますが、まったくその通りだと思います。かつては利益の分配が政治の仕事でした。しかしこれからは違います。むしろ負担の分配が政治の仕事です。年金でも支給額を増やすとか、支給年齢を引き下げるとかが利益の分配です。しかしこれからは年金額を減らし、支給年齢を引き上げなければなりません。それが政治家の仕事になります。 それだけの意識の切り替えをした政治家を、残念ながら私は知りません。小泉進次郎議員のような若い議員は危機感があるようには見えますが、果たして長老たちはどうでしょう。 さて皆さんにお尋ねします。さきほど「解散」という野党の声をご紹介しましたが、改造内閣にも満足できないと考える人が多い有権者は、自分の一票をどう使いますか?★藤田議長の過去の円卓会議より・憲法改正、十分に勉強できていますか?・日本の人口減少、心配ですか?・中国の南シナ海進出、脅威ですか?
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