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会議番号:3453 開催期間 2017年09月01日- 09月15日
「メディア・リテラシーを高める教育をどのように行うといいでしょう?」という今回の問いに対しても、実にレベルの高いご提案をたくさん頂きました。大きくは、学校における教育、家庭での教育に分けられます。 まずは学校教育に対する提案に深く頷きました。「賛成と反対それぞれの立場で議論をし、双方の言い分を聞くようなディベートをもっと学校教育でも取り入れたらいいのではないか。発言力や論理的に考える力が身に付くだけでなく、双方の言い分を聞き自分で判断を下す訓練になると思う」というのはDiamondBarさん。たしかに「正解を導く」ことを重視してきた学校教育の在り方を見直す必要がありそうです。 ゆいたんパパさんは中学生の頃、先生から「学校でニュースや国が言うことも、話半分で聞いておけ」と言われたそう。またcheetanさんは高校時代「参考にした文献の思想が偏りすぎている」と先生から指摘されたとか。それ以来お二人とも、真贋を確かめる目を持とうと努めてきたことから、学校教育の役割が重要だといえそうです。 私はいま大学で教鞭をとっていますが、皆さんが提案してくださったように、同じテーマを新聞各紙で読み比べるというワークを授業に取り入れています。例えば、導入が議論されている高度プロフェッショナル制度。「残業代ゼロ法案」として批判を続ける新聞がある一方、「脱時間給制度」として評価する新聞もあります。「ひとつの新聞だけを読んでいて鵜呑みにするところだった」と学生は驚いた表情を浮かべます。 海外をみると、英国やカナダなどではメディア・リテラシーを身につける教育が、「国語」の授業のカリキュラムに組み込まれています。『メディア・リテラシー』(菅谷明子著、岩波新書)によると、カナダでは「アニメーションと現実との違いを区別する」といった導入に始まり、段階を経て「情報の送り手による、誇張表現、偏った情報を見きわめる」といった学びに進んでいきます。例えば、スニーカーの人気ブランドの販売価格に、広告費がどの程度含まれるのかを知り、その広告によりどんなブランドイメージが形成されるのかを学んだり、テレビ番組を自分たちで制作することで情報がいかに取捨選択されているかを実感したり、さまざまな授業が開発されているそうです。 日本でもこうした事例にならい、メディア・リテラシー教育を見直す必要があるかもしれません。 学校のみならず、家庭での親子の会話も重要です。前回も投稿してくれた真打ちさんは、こう言います。「子育て中も、子どもの意見だけを鵜呑みにせず、多面的に情報を得て指導を。『子どもを信用するのに裏付けがいるのか』と考える事もあったが、重要なこと程、判断過程は慎重に扱った。後に、こうした親の姿勢は子どもの物事の見極め方に色濃く反映されるように」。なるほど情報の選別においても、子どもは親の背中をしっかり見ているのですね。 kyoko004さんは、「メディアは意思を持っている」と常に息子達に言ってきたそう。これ、名台詞ですね。「媒体によって同じ内容でも全く違う報道をしていたり、統計データを都合よく解釈している場面に日々出くわします。自分の意見を持つ大切さと、情報を偏った媒体から得ないこと、データの出元を確認すること、これらを親子の会話の中で伝えたい」とか。 さてフェイクニュースを防ぐには、個人のメディア・リテラシーを高めると同時に、企業や国の対策も必要だといわれています。 ドイツでは、フェイクニュースの掲載を放置していた企業に対して、罰金を科すという法案が成立しました。 またフェイスブックやグーグル社は、フェイクニュースを放置し広めたという批判を受けて、掲載された情報の真偽をチェックする体制を強化する、フェイクニュースを載せるサイトに広告を載せないといった対策を講じるようになりました。 そこで皆さんにお伺いします。フェイクニュースの拡散を防ぐため、国や企業はどのような対策を講じるといいのでしょう。また、国や企業が情報を選別することの是非も問われていますが、これについてはどう思いますか。ご意見をお寄せください。★野村議長の過去の円卓会議・定年を意識したことがありますか?
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