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会議番号:3462 開催期間 2017年10月06日- 10月13日
選挙戦もそろそろ中盤に差し掛かります。投票先をお決めになる方が、ジワリと増えているようですね。安全保障問題について、asukamamaさんが私のややタカ派的な二択は疑問だと書かれました。確かに「戦争をしないための努力が政治家の仕事」ということには私も賛成です。核兵器の保有やミサイル開発、敵地攻撃能力の保有ということは、「抑止力」になると考えているので敢えて皆さんに提起したつもりです。 軍事力は米国のジョセフ・ナイ教授も書かれているようにハードパワーの一つです。どの国も、軍事力だけで物事が解決すると考えるのは愚かなことです。しかし軍事力がなくてもいいと考えるのは、これもまた危険な賭けになると思います。たとえば、毎日のように尖閣列島の周辺に来る中国の公船について、今は海上保安庁(すなわち警察行為)で対応していますが、もし攻撃された場合はどうなるでしょう。あるいは中国の海軍が来たら、警察力だけで対応しきれるわけがありません。そうならないように努力するのはもちろんですが、日本にもし十分な軍事力がなければ、中国の圧力に対抗しきれないかもしれません。尖閣といい、北朝鮮といい、東アジアの緊張状態はこれまでになく高まっているのは事実でしょう。私たちは、その問題をどうとらえたらいいのか、真剣に考えておく必要があると思います(そうしないと何かあったときに、感情的な暴発を防げなくなるからです)。 選挙戦では各党がいろいろ政策を提案しています。その中で気になることがあります。どの政党も社会保障の拡充(自民党は全世代型社会保障)を唱えているのですが、その財源をどうするのでしょう。米国では一時、財源を示さない政策の提案はだめだという議論がありました。日本では、財源論を抜きにした政策が数多く提案されます。右肩上がりの経済でしたらそれでも何とかなる(経済が成長すれば毎年税収が増える)のでしょうが、今の時代はそうは行きません。 ただ財源論は不人気な政策です。それはすぐに増税を意味するからです。表だって増税を言えば、選挙に不利と考えるのが常識でしょう。しかし皆さんも言っておられるように、多くの国民が財源を気にするようになっています。つまり財源をどう捻出するか、そのための政治状況をどうつくり出すかが政治家の役割だと考えます。国家財政を安定させるには二つの方法しかありません。増税と歳出カットです。毎年10兆円以上も赤字国債が積み上がるような状況では、この両方を懸命にやってもなかなか基礎的財政収支を均衡させることはできないでしょう。 歳出削減では、国会議員の定数削減やら報酬カット、公務員の人件費削減、公共投資削減などが耳障りがいいのですが、これらによる歳出削減効果は実際にはわずかなものです。やはり国家財政で最大の支出項目である社会保障の改革に手をつけざるをえないのが実情と考えます。その意味では、現在の選挙戦でよく言われる教育の充実を実現するには、他のところを削らないとなりません。そういった政策の表と裏のワンセットを議論しないといけないのです。今のところ、その問題に真摯に向きあった議論をしている政党を私は知りません。日本が抱えている問題をどの政党がどれだけ真剣に取り組もうとしているか、あと一週間の選挙戦を見守りたいと思います。一週間、ありがとうございました。★藤田議長の過去の円卓会議より・安倍内閣、改造でよくなりますか?・憲法改正、十分に勉強できていますか?・日本の人口減少、心配ですか?
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