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会議番号:3471 開催期間 2017年11月17日- 11月24日
Yesとお答えいただいた方が86%と多数で心強く思います。「話を聴く」、「居場所をつくる」、「休む」、「連携する」などいろいろなご意見をいただきありがとうございました。NOのpuniさんの、「本当に死のうと思って行動にうつす人を止めるのはなかなか難しい」というご意見がありますが、そうなると真打さんのご意見にあるように薬物治療や入院(身柄の保護)になります。そこに至るまでにどのように周囲の大人が関わっていくのかを考えることが重要です。
死にたいと考えること(希死念慮)と自己破壊的行動(衝動的に自分自身の身体に有害な行動を行う)は段階があります。私は、死についての思考と行動化について、それぞれ「スペクトラム(連続体という意味ですが、境目が曖昧でありここから先は要注意という線引きができない)」ととらえています。
※出典:古荘純一「自殺行動障害と希死念慮」『ガイダンス 小児コンサルテーションリエゾン』
思考の第一段階「死にたいと思う」ことは稀ではありません。行動の第一段階は「自分の身体を粗末にすること≒無意識な自傷」(飲酒・喫煙、市販薬の乱用、極端な拒食や過食、衝動的な性行動など)などです。後者は気づくことができると思いますが、この時点で、単に行動を止めるのではなく、話を聴いて、その子の置かれた状態を理解することが重要です。
第二段階になると、思考として「受動的な死」(たとえば今乗っている車が事故に遭ったら死ねるなど)、行動として「意識的に自分の体を傷つける≒自傷」ことになります。自傷行為を行うのは思春期の子ども10%程度と稀ではないのですが、1年以内に自殺試みるリスクは、自傷のない子どもと比べて数10倍であるという報告もあります。 この段階では、Cheetanさんの「自尊感情を高める」という視点も重要と思います。
思考の第三段階は、積極的に死について(死ぬ方法を意識する)考えるようになります。一方行動はエスカレートしていき、自殺についての情報収集や実験(道具を準備、薬を摂取)するなどがみられます。今回の事件に巻き込まれたのは、この段階の人だけでなく、その前段階の人もいたのかもしれません。第四段階になれば、自殺を防ぐための、治療、身辺保護の段階だと考えます。
さて、次回は会議最終日になります。すでに「自分でできること」についていろいろなご意見をいただきましたが、今度は「日本社会としてできること」、「実効のある方策」、 そして「ネットの活用と規制」 についてご意見をいただけまでしょうか? 投稿をお待ちしています。
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