働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3471 開催期間 2017年11月17日- 11月24日
いろいろご意見をいただきありがとうございました。「つながり」、「(大人の)学ぶ場」は初期の段階に重要なことと思います。「的外れの対策でなく自殺を個人の選択肢にしない社会に」、「多くの人との連携」はリスクのある子どもたちに、特に必要なことと考えます。 精神医学にコンサルテーション・リエゾンという一領域があります。精神科医が相談を受けて連携をとるということですが、児童・青年期のコンサルテーション・リエゾン精神医学の大きな役割に、自殺リスク評価と対策があげられます。 医療機関を受診するのは自傷行為で怪我をした、具体的な行動に気づいたことから、救急医学科や小児科からの紹介がきっかけですが、まずリスク因子の評価を行います。うつ病などの精神疾患である、繰り返す自傷や自殺未遂の既往、具体的な計画や準備を示唆する(ネット等での情報収集や道具の購入)があれば、速やかに治療的対応を行います。 また、自殺の家族歴、誘因となるできごと(叱責、絶望感など)、トラウマの有無と強さ(虐待、陰湿ないじめ被害など)、適応状態(長期間の不登校/病気療養による欠席など)、人間関係の悩み(家族、学校など一定の関係のある人)、低い自尊感情、などもリスク因子です。リスクを下げる因子は、十分に行われていませんが、信頼できる人の存在や、本人の回復能力などがあります。 「自分はこのままでよい」と実感しにくい日本の社会が、昨日の「第一段階」の人を増やしているのではないでしょうか。「本人の生きづらさ」「低い自己肯定感」として気づかれることもあります。また、強くなりたいと過激なトレーニングに励む、美しくなりたいと無理なダイエットを実施することも、自分を変えたいと言う強い願望は、「無意識な自傷」ととらえることもできそうです。 ネットについては、現時点では「リスク因子」が大きいと考えています。信頼できるかどうかわからない相手から「最後の一押し」になる危険性があり、政府の言う、ICT(情報通信技術)を活用した犯罪防止対策の中に、自殺防止対策も組み込まれることを期待します。一方で、ネットを利用した抑制効果は限定的であると感じています。 むしろ現況では、私は外来で、ネット空間での交流を絶って、引き延ばす方法、その前にやること、発想を変える、など具体的に話しながら、「死なない約束」を取り付けるようにしています。 大多数の方が「自殺を防ぐことはできる」とお答えいただき大変頼もしく思いました。今後、実効性のあるシステムが構築されていくことを願っています。1週間どうもありがとうございました。★古荘議長の過去の円卓会議より・自信をなくしている子どもを元気づける方法、ありますか?・子どもの依存症、本人の自己責任ですか?・病気か個人の問題か、迷うことはありますか? ★古荘議長の近著をご紹介します!『発達障害とはなにか 誤解をとく』(朝日選書)
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