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会議番号:3477 開催期間 2018年01月19日- 01月26日
私は体育系大学の教員をしているので、4年に1度のオリンピックに出場することがいかに大変なことか、よくわかります。自分の半生をかけて勝ち得たオリンピックの場が、自分ではどうしようもない国際政治によってゆがめられたり、影響を受けたりするのは、選手にとって耐えがたいことだと思います。だから、「アスリートの多くはこの場で最高のパフォーマンスができるよう、厳しい訓練や大会などを経て参加されていると思うので、そんな彼らの努力をたたえるべく、声援を送りたい」(おがわさん)と、私も思います。 アスリートの最高のパフォーマンスを競う場にするため、オリンピックからいかに政治を排除するか、国際オリンピック委員会(IOC)がもっとも重視してきたことだと思います。しかし、今回の北朝鮮選手団の参加は、参加資格などに不透明なところを残しました。「裏での条件に関係なく、参加の際の互いの条件の開示と、IOC自体のルールが例外を作らずに、参加国や競技決定理由がしっかりと世界に伝わる様にして欲しい」(地球交響曲さん)、「ドーピングの検査をはじめとする国際社会のルールは徹底して適用させることが大切」(ネリーさん)という意見が出たのは当然だと思います。 南北合意を追認した今回のIOCの決定は、一触即発の朝鮮半島情勢をみれば、IOCなりに政治とスポーツの折り合いを付けたのかもしれません。主催国の韓国とIOCによる「平和の祭典」の演出は、一時的にせよ、平和のすばらしさを世界に示すのが狙いでしょうから、「世界中で1国を孤立化させる方針は決して良い結果を生むと思えないので、割り切れない思いは思いとしてとっておいて、ここは融和への前進を支持したい」(いのくちさん)という意見が国際世論になれば、南北融和の前進につながると思います。だとすれば、「まずは、緊迫した状態を解き放つために、オリンピックを通して世界中の人々がともにスポーツを楽しみリラックスする必要がある」(マカロン71さん)ということになります。 オリンピックの映像を見る世界の人々に対して、「メディアが北朝鮮の選手をアスリートとしてではなく北朝鮮国民として話題に取り上げれば、さらに五輪と政治・平和を関連付けて考える時世に拍車をかける」(Zonnetjeさん)という効果もあるかもしれません。一方、北朝鮮の人々に対しては「北朝鮮の人々の目を世界に向けさせ、国民のための国造りに興味を持たせる活動の一助になって欲しい」(UNAUNAさん)という意見、スポーツが政治を動かすことが、平和につながるのであれば、時にはあってもいいと思いますね。 平和の祭典もけっこうだが、その先が心配という意見も出てきました。「淡々と日程がこなされ、自国のメダル数への興味だけで終了するのではないでしょうか。その後、また、ミサイル発射問題や制裁の応酬で進む」(やっちゃん24さん)と考えると、「オリンピック開催期間だけの短い平和は意味がない。選手たちが気の毒」(kkoさん)となりますし、「終わってからどうなるのかが余計に心配。いっそ延々と韓国で国際的な催しが続けばいい」(hiro2さん)と言いたくなりますね。「真のスポーツの祭典としてのオリンピックは、真に平和が訪れなければ開催できない」(blueberry53さん)というのは至言です。 今回の私の問いかけは、「平昌五輪が朝鮮半島の平和と安定につながるか」というものでしたが、「つなげるために日本がどう役割を果たすかを問うて欲しい」(chicofさん)という提案が出ました。円卓会議は、評論の場ではなく、自分が何をするか、という主体的な意見交換の場だと理解しているので、その通りだと思います。日本外交が米国の追随でしかない現実に、私の設問からも主体性が抜け落ちてしまいました。そこで最後に、このオリンピックを機に、日本は朝鮮半島の平和と安定のために、何をしたらよいのか、あらためて問いかけたいと思います。ご意見をお待ちします。★高成田議長の過去の円卓会議より・10月に解散・総選挙。結果に期待しますか?・トランプ大統領就任4か月、評価しますか?・東北産の農林水産物。食べていますか?
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