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会議番号:3494 開催期間 2018年05月18日- 05月25日
投稿ありがとうございます!!!いよいよ最終日の円卓会議です。 みなさまに「セクハラ基準」があったほうがいいか、またはどんな基準なら納得できるか、ということについてお尋ねしました。 投稿内容を見ますと、「世間一般の判断を基準に」(めぐっちさん)。「業種により許容範囲が違う」(真打ちさん)、「受けた側の主観なので難しい」(あきんぼさんといまいくんさん)、「セクハラされた側が不快かどうかが基準」(たろまるさん)と、さまざまなご意見いただきました。 先日セクハラで辞任した某市長も、記者会見で「そのつもりはなかったが、相手がセクハラと思ったのなら仕方がない」という抗弁をしていました。「相手の受け取り方次第なのだからセクハラは難しい」とよく言われます。 しかしグローバル基準ではこれは全く正しくありません。グローバル基準ではセクハラは客観的に判断されるものと内藤忍さんに聞きました。日本の法律上の問題点は「均等法も人事院規則も、基本的に会社のセクハラ対応義務だけなのです。つまり、『セクハラをしてはいけない』という禁止の規定がないのです。禁止の規定がないので、禁止の対象となる行為の定義もありません。」(「セクハラ罪」が今の法律で問いにくい訳――内藤忍さん(JILPT)に聞く 千田有紀 | 武蔵大学社会学部教授(社会学) 現在の法整備のもとでは、個人も企業も非常に「やりにくい」のがセクハラ対策なのです。「セクハラ罪はない」のだから、新たな法整備や基準作りが必要な時期ではないでしょうか? アメリカの企業では「3回誘って断られ、4回目に誘ったらセクハラ」という規定があると社会学者に聞いたことがありますが、セクハラかどうかのポイントは「常習性」「継続性」も大きいのですが、いっそこのぐらいはっきり言われたほうが、安心な労働環境が作られるかもしれませんね。 独自の細かな基準をしっかり決めている企業もあります。これを機に、「わかりにくい」と諦めるのではなく、自社の規定や他社の規定がどうなっているのか、本気でセクハラを防げるような規定になっているか、チェックしてみてください。 またどんなに対策してもセクハラは0にはなりません。最終的には「管理職の多様性」を担保していくのが、究極のセクハラ対策でしょう。 シカゴ大学教授の山口一男氏はこう書いています。 「このような日本社会を変え、人々が性別にかかわらず生き生きと働ける社会を生み出すには、今後一人でも多く、政治や経済活動での意思決定の場に女性を送り出していくことが根本対策であると思う。」(5月2日付「ハフポスト」記事『女性差別とセクハラ問題―財務官僚のセクハラと麻生大臣の発言から考えたこと』より) 最近の日大のパワハラ事例、財務省とテレ朝の事例……「男性だけの同質集団のリスク」というのを考えざるをえません。私が海外のクライアントだったら、同じような年齢、性別の集団がぞろぞろでてくる会社にたいして「この会社はやばい。取引どうしようかな」と考えると思います。それほど「同質性」のリスクはあがっています。 この問題は「セクハラ対策どうしよう」というだけでなく、「生産性」や「企業のリスクマネジメント」にも関わる問題です。働き方改革の一貫として「ハラスメント対策」を強化している企業もあります。「セクハラ」に対する扱いの「耐えられない軽さ」は過去の話。ぜひ一度職場で、まじめに話をしてみてくださいね。特にこの問題の男女の感じ方の差は驚く程違いますから。 一週間、本当にありがとうございました。今が本当に変わるチャンス。みなさんの力でハラスメント0の社会を目指していきましょう。 ◆関連記事〜白河議長のコラム、あわせてお読みください!「セクハラ通報窓口にセクハラ体質の男性を置くメディアは、世界から40年遅れている」◆白河議長の過去の円卓会議・あなたの会社の働き方改革、うまくいっていますか?◆関連テーマのアーカイブより・セクハラ、パワハラを受けたこと、ありますか?・人権週間。あなたの人権は組織の中で守られていますか?・女性の人権、守られていますか?
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