働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3509 開催期間 2018年08月31日- 09月07日
北海道で起きたM6.7の地震は、震度の大きかった地域で土砂崩れなどにより多数の死傷者、安否不明者を出しているほか、北海道全域に及ぶ停電を発生させました。地震列島にある日本の大規模災害に対する備えが十分とはいえないことを見せつけています。7日告示される自民党の総裁選は、出だしの3日間、選挙活動を自粛することになりました。テレビや討論会などでの論戦で、地方票の掘り起こしを期待している石破さんにとっては、不利な展開とみられています。 一か所に多くの発電設備を置く集中立地のリスクは、東日本大震災での教訓とされたはずですが、今回の全域停電は、その対応が不足していることを示しました。政府は原子力発電などを「ベースロード電源」と位置付けていますが、石破さんは選挙公約の「地方創生」の第1項目を「脱炭素化・再生可能エネルギーを原動力に地方創生を実現」として、地方の活性化とエネルギー政策とを連携させています。今回の震災を踏まえ、ふたりのエネルギー政策についての論戦を聞きたくなりました。 さて、リーダーシップについてのみなさんの評価を尋ねたところ、いろいろな意見をいただきました。石破さんが震災対応を優先させ、総裁選の延期を提案したことについて、「こういった素早い判断はリーダーに欠かせない」(あさーかすさん)として、石破さんを評価、安倍さんの続投にノーという意見でした。安倍さんも震災対応を陣頭指揮することで、リーダーシップを見せるのだと思いますが、自民党の執行部が打ち出した「選挙戦の自粛」は、石破さんとの論戦をなるべく避けようとする安倍陣営の本音が見えたように思えて残念です。 「強いリーダーシップを求めすぎることはポピュリズムに偏ることになる」(blueberry53さん)という指摘がありました。私の問題提起は、強いリーダーシップ=善という前提でしたので、ご指摘の通りだなと、議長として反省しました。blueberry53さんは、「本当に強いリーダーシップは、きちんと説明できる力」として、外交での実績のある安倍首相の続投にイエスと判断しています。石破さんは「細かすぎる議論になって大局から判断することができなそう」で、各国の首脳と渡り合えるか疑問という「といろ」さんも、安倍さんの続投にイエスでした。 真のリーダーシップは「多様な声に耳を傾け吸い上げながら、責任をもって成果を出すこと」という「いぬいるか」さん、「権力集中はリーダーシップではない」というunagiさんも続投にノーという意見でした。Unagiさんは、アベノミクスを「シャンパンタワーの上の方に大きなグラスが載っていて、下に流れてこない」と評しています。アベノミクスは、大企業や富裕層を景気の牽引役にするというトリクルダウン論のひとつとみられているようで、「ポストアベノミクス」で、格差是正をうたう石破さんとの政策論争も聞きたいところです。 リーダーシップの欠如、というのが日本の首相について回る形容詞でしたが、安倍首相は、実行力を優先させる政治家で、そのことが長期政権を支えてきた支持率の高さにも表れているように思います。ただ、その「強いリーダーシップ」が他人の意見を聞かず、議会での「強行突破」につながっている、との批判を招いているようにも見えます。力の強さだけではない「真のリーダーシップ」をいま問うことは、今回の総裁選にとどまらず、これからを見据えるときにも大切な視点だと思います。総裁選をめぐる論戦は、震災で出足をくじかれるかたちになりましたが、国民の前で、わかりやすい論争を展開することが「自由民主」の国である日本を強くすることにつながると期待して、今回の円卓会議を終えたいと思います。多くのみなさんの参加に感謝します。★高成田議長の過去の円卓会議より・平昌五輪。朝鮮半島の平和と安定につながりますか?・10月に解散・総選挙。結果に期待しますか?・トランプ大統領就任4か月、評価しますか?
イー・ウーマン
表参道カレッジ
eshop
©2014 ewoman, Inc.