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会議番号:3526 開催期間 2019年01月11日- 01月18日
「LGBTに住みやすい街・暮らし」について、国内の都心から地方まで、そして海外と、それぞれの地域の特色を寄せていただきありがとうございます。 東京都新宿区にお住まいのひるねさんの地域では、LGBTだけではなく、再開発で外国人を含めた新しい住民が増えており、「多様性がある街である」と感じる一方で、区の制度の整備はあまり進んでいないようだと教えてくださいました。都心部の特色としては、「無関心と紙一重」という点が気になるとしたときに、ひるねさんがおっしゃるように「都心部の中でも昔からある商店街などの場やコミュニティでコミュニケーションをとることで、バランスを取る」ことは、人と人とのつながりを希薄にせず、住みやすい街をつくることにつながるかもしれないですね。 富山県にお住まいのM-Changeさんの地域は、住民同士の個人情報が伝わりやすい狭いコミュニティで、閉鎖的な空気があり、「マイノリティであるとわかると、自分だけでなく、家族、その人に関わる多くの人が白い目で見られたり噂になるため、LGBTに限らずマイノリティが住みにくい(M-Changeさん)」と感じていると教えてくださいました。 原因は「地域に住む多くの人が外の世界を知らないからではないか(M-Changeさん)」と指摘してくださっていますが、県外の大学に行かれていたM-Changeさんのように地域の外に飛び出してみた人や、あるいは外から来た人が新しい風を吹き込み、地域の空気を変えるということもあるかもしれません。 例えば、JR京都駅から徒歩約5分という好立地でありながらも人口が激減し、長年クローズドな地域となっていた下京区「崇仁(すうじん)地域」。ここに昨年、期間限定でオープンされた屋台村「崇仁新町」が月に数万人を動員する、多様な人が集まるコミュニティとして人気を集めています。仕掛け人は東京を拠点に活動する小久保寧さんで、「よそもん」がクローズドな街を開放し活性化を成し遂げた事例として話題になりました。 Achikoさんは「多様性の受容度が高くLGBTの市民が住みやすい街があるとしたら、それはLGBTではない市民にとっても住みやすい街といえるのではないか。」と指摘してくださっていますが、誰かを特別扱いするということではなく、みんなで住みやすい街を考えていくインクルーシブな視点は、大事なポイントだと思いました。 滋賀県にお住いのma kiさんの地域は「昔ながらの考え方が当たり前な地域」だと教えてくださいました。ma kiさんが「当たり前が変化する時代」というキーワードを挙げてくださっていますが、2019年に注目すべきトピックとして、来月2月中旬に複数の同性カップルによる全国各地での一斉提訴が予定されている「同性婚」をめぐる憲法訴訟があります。昔は当たり前ではなかったことが、今では当たり前になっているということもありますが、同性同士の結婚も、数年後には「当たり前」になっているかもしれません。「同性婚」という言葉もなくなり、ただの「異性の結婚」「同性の結婚」になっていくかもしれません。 nekosaurusさんは「なぜLGBTと名称を付けて括らなければならないのか」という意見を寄せてくださいましたが重要な視点だと思います。ラベリングは課題の可視化のためにも必要かもしれませんが、課題が解決していけば不要になったラベリングは徐々になくしていくことも必要かもしれません。 ラベルをはがしていく例でいうと、日本テレビの映画事業部プロデューサーで、トランスジェンダーの谷生俊美さんが、2018年10月から同局の「news zero」でレギュラーコメンテーターを務めていることが注目を集めています。谷生さんがキャスティングされた理由は、日本テレビの社員としての12年間の報道局での記者経験と、その後6年半映画番組に携わってきた経験をトータルで評価したものであり、トランスジェンダーであることはあくまで副次的な要素だったとのこと。 自身の職務を全うし、当たり前の仕事を当たり前にこなし、その個性がたまたまトランスジェンダーである、という自らラベルをはがした姿は印象的で、視聴者の中には「自分はLGBTは理解できない。けれど、あなたのコメントは好きです」というコメントを寄せる方もいたそうです。ラベリングされた「誰かLGBT」は遠くに感じる人でも、具体的な1人の当事者の人間的な魅力に触れると、心理的な距離がぐっと近づくのが人間かもしれません。そう考えると、「自分を主語に生きる人(真打ちさん)」は、その周囲の人もポジティブな力で良い方向に巻き込んでいく求心力があるのかもしれません。 さて、今回の最終投票結果は、YES:28%、NO:72%となりました。まだまだ課題解決はこれから、といったところだと思いますが、社会の前提や時代の空気はスピード感をもって変わっていく過渡期にあることを感じられる投稿がたくさん寄せられました。2019年はまだ始まったばかりですが、今年もどんな新しいアクション、そして変化が生まれていくのか楽しみです。私たち電通ダイバーシティ・ラボも、出来ることから取り組んでいきたいと思います。 2019年1回目の円卓会議、たくさんの熱いコメントをいただき、ありがとうございました! ★阿佐見議長の過去の円卓会議より・「アンコンシャス・バイアス」って、悪いことですか?・LGBTの課題への取り組み。企業の事例、知っていますか? ・LGBTの今後の課題、知っていますか?
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