イー・ウーマン（ewoman）

数字は外注で（真打ち・栃木県・49）

総務省の外局設置や監督は、このタイミングで速やかに実現してはと思う。実際はどの省庁にも必要な、総括的な課題ではないか。省庁担当者との飲食やゴルフの禁止、定期的な担当者の交代など、外部意識に徹する環境整備は再発防止の要であると、私は思う。国会の答弁では、統計不正に留まらず実質賃金の伸び率にも該当しているのでは、との意見も出ていた。都合の良い数字を提示しなければならない上層からの重圧があったとすれば、一部だけの問題ではなくなって来るはずだ。

作るというのは簡単ですが（2kishir0・東京都・29）

統計庁、良いと思います。ですが、設立の目的、人材の育成、仕事の内容等詰めるべきことはいくつもあるように思います。月20営業日として、年間240日稼働させるだけの業務があるでしょうか。きちんとした意図を持って作らないと、それこそ税金の無駄遣いになるような気がしてなりません。

「統計庁」設置、賛成です（ひるね・東京都・51）

議長が2日目にコメントされていたように「リスペクトされる統計の専門組織」が必要だと思います。今回のことを受けて、統計の重要性に考えが至っていなかった自分に気づきました。統計の専門家を育成していくと同時に、その重要性が広く知られることによって、国民1人ひとりの厳しい目も育つのではないかと思います。そうすることで、初めて「オープンにする」ということの意味も出てくるのではないかと思います。

外部監査は必要ですがその前に（ma ki・滋賀県・32）

問題が明確に定義されていないと思います。今回のことで問題なのは何なのか。トップの決定が現場で実行されなかったことか、それともその不適切な調査を発覚できなかったことか、そもそもトップの決定事項が実現不可能なものなのか。目の付け所によって対策も違うと思います。何を問題として捉え、何に対策を講じるべきなのか。過剰支給ならよかったのか？意図的に行ったなら犯罪なのでは？まずはテコ入れすべき箇所を話し合うべきかと思います。大枠で捉え過ぎると現場まで届きません。

矜持を持った統計の専門集団（Achiko・神奈川県・46）

各省がそれぞれ内部で別に統計作業を行なっているのであれば、その作業と担当職員を「統計庁」に集約し、省庁横断的に統計作業を行なう。職員は統計の知識と統計法とを熟知した数字のプロで、各省の時計に関する知識不足、政治的思惑、忖度に左右されることなく統計作業を行なう。今回の不適切調査の反省も踏まえ、第三者委員会など外部監査の仕組みも採用する。今回の事案の再発防止策として機能するのであれば、統計庁の設置は大いに検討に値すると思う。

データは使うところが見るもの（blueberry53・大阪府・62）

統計はデータのみに見えますが、実体を適切に把握した目で見なければ、データから迅速、かつ適切な判断はできません。その意味では各省庁がデータを把握し、自らの施策との整合性を常にチェックすることが望ましく、統計のみ扱う省庁をつくることには反対です。ただし、統計の実施方法等の客観性担保は必要かもしれませんが、新たな官僚組織では肥大化するように思います。データを扱う人材不足の時代ですが、あくまでも各省庁の官僚が真摯に統計データと向き合う姿勢を持つことが大切に思います。

国や地方自治体が収集するデータは、要するに政策の基礎なのだと考えます。われわれが目にするデータは多くの場合、いろいろ処理された後のものですが、役所が収集するデータはそれこそ生のビッグデータということになります。これを継続的に収集することで、変化の方向や、政策の効果を確かめることができるわけです。

一連の「統計不祥事」はこの最初の収集作業のルールが実態に即していなかったために起こった「齟齬」というように考えます。本来であればそこでルールを変えるのが主旨ですが、それをしなかったために結局は収集作業を現実に合わせて（全数調査から抽出調査に）しまいました。そしてその統計的処理を間違ったために結果に影響を与えてしまいました。

今後のことを考える場合、いちばん重要なのは、継続的に集めることができるデータを誰がどのように管理するのかということだと考えます。ただ法律に書いてあるからというだけでなく、日本という社会の実態をとらえるために重要な、同時に時代に合った数字を収集していくことが重要です。そのためには統計の専門家が知恵を絞って、国家全体を見渡すような組織が必要だと思います。やはり何といっても統計のステータスを上げなければならないでしょう。

エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングという言葉を前に申し上げました。客観的な「証拠」に基づいて政策を決定し、検証するということです。今後、日本の人口が減っていく中では、政策の効果に伴う利害が今までよりは先鋭に対立してくるようになると思います（世代間格差などはその一つです）。そうしたときに、政治はその利害を調整しなければならないのですが、将来的に大きな間違いを冒さないためには、やはりエビデンスに基づく説得を行わなければなりません。

今回は統計という地味な話題でしたが、日本という国の将来にとっては大きな意味を持っています。とはいえ、いたずらに政治的な争点にすることには賛成できません。ここは有識者の頭脳を結集して日本の統計の在り方を議論してもいいのではないでしょうか。

一週間、ありがとうございました。




★藤田議長の過去の円卓会議より
・広がる「自国第一主義」、危険だと思いますか？
・第4次安倍改造内閣、よりよい成果は期待できますか？
・日本の人口減少、心配ですか？

• 2019.02.01
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹