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会議番号:3531 開催期間 2019年02月15日- 02月22日
昨年11月の日ロ首脳会談で、安倍首相とプーチン大統領は1956年の日ソ共同宣言を基礎に日ロ平和条約を結ぶ交渉を加速させることで合意しました。しかし、今年1月下旬にモスクワで行われた首脳会談では、ほとんど進展はなかったようで、交渉の行方は6月末に大阪で開かれるG20サミットで予想される日ロの首脳会談まで持ち越されました。 日ロ両国には双方の大使館も置かれ、貿易も行われているのに、平和条約が結ばれていないのは、北方領土問題が解決していないからです。第2次大戦で敗戦国となった日本は戦後の再独立を定めた1951年のサンフランシスコ平和条約で、台湾、朝鮮半島、南樺太(サハリン)、千島列島などを放棄します。しかし、国後、択捉、歯舞、色丹の4島は、放棄した千島列島に属さず、日本固有の領土だと主張しています。これに対してロシアは、日本が放棄した千島列島に4島が含まれるという主張をしてきました。ただし、歯舞、色丹については、1956年の日ソ共同宣言で、平和条約を締結後、日本側に「引き渡す」と約束しているので、交渉の余地があるという立場です。 昨年の日ロ首脳会談で合意した「日ソ共同宣言を基礎」という意味は、歯舞・色丹についての交渉であれば、ロシア側は交渉のテーブルに着くが、国後・択捉については交渉の余地なし、ということなのでしょう。日本側も4島は日本の領土という立場は変えてはいませんが、歯舞・色丹の2島返還に加えて、国後・択捉についても共同利用できるなどの「2島+α」で妥結できればと考えているようにもみえます。実際、1月の首脳会談でも、国後、択捉を含めた4島よりも、歯舞、色丹の2島の話が中心だったと伝えられています。 さて、私たちは、この日ロ交渉をどう考えたらいいのでしょうか。現在の双方の国力や政治状況をみれば、日本があくまで4島の返還を求めれば、交渉は決裂、北方領土問題の「解決」は、少なくとも当分は見込めません。だから、少しでも「実利」を求めるなら、2島で満足するという考えもあると思いますが、ロシアの国内事情をみると、それもすんなりとはいきそうにありません。一方、日本にとっての「正当性」を追求するなら、安易な妥協はせず、主張を貫く必要があるという考えもあると思います。2014年のロシアによるクリミヤ併合以来、米国や西欧諸国のロシアに対する警戒感は強まっていますから、日本がロシアと平和条約の締結で友好関係を強めることは米欧諸国から不信感を買うおそれもあります。 というわけで、北方領土問題は、とてもやっかいな問題ですが、私たちで「解決策」があるのか考えてみましょう。北方領土問題の解決策、あなたはあると思いますか? まずは、長い歴史のあるこの問題で、「交渉を加速する」というタイミングが今の時期にふさわしいのかどうか、両首脳の姿勢について考えてみましょう。みなさまからのご意見をお聞かせください。★高成田議長の過去の円卓会議より・移民の受け入れは、賛成ですか?・自民党総裁選、安倍首相の続投がいいですか?・平昌五輪。朝鮮半島の平和と安定につながりますか?
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