働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3544 開催期間 2019年05月31日- 06月07日
6割近くの人が「10月から消費税10%」を支持し、投稿にもその勢いが現れています。「消費税は国民が平等に負担するものなので賛成」(本の虫さん)、「現役世代の負担を減らすには消費税」(erippeさん)、「自分の消費に対しての税金なのでセルフコントロールも可能」(まうやんさん)などの意見は、大事な論点と思います。 欧州で消費税が普及したのは、所得や財産を正確に把握するのは難しかったからです。おカネは最大のプライバシー、力がある人やお金持ちは隠したがる。しかしカネは使ってこそ価値がある。だったら使うところで課税すれば公平が保てる、と、考えたわけです。税金がイヤなら消費を手控えることもできる。所得税などと違い強制的に取られる税金ではないので痛税感は少ないというわけです。 問題は低所得者です。ギリギリの生活をしている人は切り詰めようがない。収入が沢山あれば貯蓄にカネを回すから、その分だけ課税は免れる。低所得者ほど税金が重い「逆進性」が消費税の問題とされてきました。 消費税は高齢社会を目前に「薄く広く皆で負担を」と1979年(平成元年)に導入されました。ところが平成は格差社会が拡大した時代でした。 所得税の累進課税が緩やかになり、法人税は軽減され、金持ちや儲かっている企業の負担は軽くなった。バブルの崩壊で企業はリストラに走り、実質賃金は1997年を境に減り、人々の暮らしは圧迫され、3割近い世帯が「金融資産ゼロ」になった。その一方で企業の内部留保は446兆円(2018年3月末)に膨れたのです。 増税には「抑止効果」があります。消費にブレーキを掛ける増税は、下降気味の景気を冷やし税収を減らす恐れがあります。消費税の前に賃上げが必要なのは安倍首相も分かっています。企業が内部留保にため込んでいる利益を賃金に回すことが景気を温める。でも説得だけで大企業は動かない。利益を内部にため込まず、賃金に回すことを促す税制がまず必要ではないでしょうか。 企業の現場も大変です。団塊の世代が退職し、ポストバブルの世代が担っています。収入が伸びない、人口が減る。この世代に高齢社会の負担増を背負わせるのはerippeさんが言う通り酷です。でも経営者の報酬は増えています。億単位の報酬を得ている経営者が増えていますが、税制の問題がここにあります。 収入が増えると税率は上がる、というのが普通の税制ですが、1億円を超える税率は下降に転じます。大金持ちになると税率が下がる、ということが日本の税制で大きな問題になっています。金持は株・債券・預金など金融資産からの収入があり、金融資産は収入の多寡にかかわらず、税率が決まっている。だから大金持ちの税率は低い。「総合合算課税にして金持ちに応分の負担を」という意見は以前からありましたが、実現していません。 「負担を皆で引き受ける」という姿勢はこれから一層必要になると思います。その際、大事なことは「納得感」です。誰が負担をかぶるか、だけではありません。税金の使われ方が問われます。 「負担増がイヤだということではない」というachicoさんの意見はこの点を指摘していると思います。 増税・負担増への納得感。あなたはどう考えますか。消費増税10%を支持するか、と併せ、あなたの考えを投稿してください。 ★山田議長の過去の円卓会議より・沖縄の民意。活かす方法はあると思いますか?・英国のEU離脱、あなたは賛成ですか?・米朝会談。期待すること、ありますか?(2018年6月開催)★関連テーマの円卓会議・消費税引き上げ。先送りに賛成ですか?(2016年3月開催、議長:森信茂樹)
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