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会議番号:3553 開催期間 2019年07月12日- 07月19日
たくさんの投票・投稿ありがとうございます。 今回は、男性の皆様からも、腰痛・関節痛(unagiさん)、軽い喉の炎症(blueberry53さん)、季節の変り目の不調が顕著(真打ちさんのご友人)など、気象の変化による不調の投稿をいただきました。私の周囲では、特に男性では、なんとなくの不調の訴えより、若い頃のスポーツで痛めた首や腰、関節などが低気圧時に痛み出す、という声をよく耳にします。 unagiさんからは、梅雨の時期の腰痛や関節痛に「清暑益気湯」が効果的か、とのコメントを頂戴しましたが、「清暑益気湯」は、暑気あたり・暑さによる食欲不振・下痢・全身倦怠感・夏やせなどに効果的です。腰痛・関節痛に対しては、様々な漢方が候補となり、症状だけでなく体質やその他の症状なども含めて最適な漢方を選択していきます。一例として、腰痛には「疎経活血湯」、関節痛には「桂枝加朮附湯」などが上げられます。また、blueberry53さんのように喉に炎症を起こしやすい、風邪を引きやすいなどの傾向がある方には、人参も含む「補中益気湯」が効果的です。 暑い時期の冷房については、冷房を好まない上司の元、社員の皆様が汗を拭きながら過ごす(真打ちさん)という事例も報告していただきました。職場では、快適温度が人により異なる上に、席の位置により、西日が当たって暑い、冷房の風が当たって寒い、などなど様々な問題が生じるので、産業医としても対応に苦慮します。また、一般的に、女性に適した温度は男性より2℃高め、と言われます。ジム通いで増えた筋肉のおかげで冷房が気にならないというあきんぼさんのように、筋肉量の違いで熱の産生量も異なりますので、男女の快適温度の違いは筋肉量の違いによるところもあるかもしれません。 気象による体調の変化は、誰にでも起こりえますが、漢方医学で言う虚証(*)タイプの方に症状がより出やすい傾向にあります。そのため、ウォーキングやランニング(yukodeluxeさん)をしたりして、日頃から体力をつけておくこと(blueberry53さん)が大切です。そして、気象の変化にあわせながら、自分の心身と向き合い、いたわる時間も必要(yukodeluxeさん)です。 また、日々忙しく生活する中で、何となくの不調は、不安感や仕事のパフォーマンスの低下を招く原因となりますが、不調を不調のままにしておくだけでなく、気象の変化と関連があるか、月経のサイクルと関連があるか、多忙な生活によるものなのか、明確なストレスがあるのか、健康診断はしっかり受けているか、など自己分析していくことで対策も取ることができることもあります。 気象の変化による不調など、西洋医学では病気と診断されない「倦怠感」「むくみ」「冷え症」などの不定愁訴は、漢方が得意とする分野で、漢方薬が効果的なことが多いです。また、漢方は病気になる前の段階「未病」のうちに、体質改善や体質改善などを図り、病気を未然に防ぐためにも用いられます。そのため、漢方薬には、短時間で効果を示すものから、Achikoさんが行なっているように7年間毎日、桂枝茯苓丸を服用など、長期間服用することで体質改善を図っていくものもあります。なんとなく調子が悪い不調や、「私は体質的に・・・なので」と少しあきらめかけている不調があれば、漢方を試してみることも一つの方法です。しかし、漢方だけに頼らず、同時に、漢方医学が大切にしている「養生」、生活習慣の改善も行なうことも重要です。 これから、夏本番。体調管理により一層の注意を払いながらお過ごしください。 一週間ありがとうございました。 *「証」は体質や体力、病気に対する抵抗力を表すもので、「虚証」タイプとは、体力がなくやせ方で、寒がり、胃腸が弱く下痢をしやすいタイプなどをいいます。反対に、「実証」とは、体力があり、筋肉質でがっちりした体格で、暑がり、胃腸が丈夫で声が大きいなどの特徴があります。その中間を「中間証」といいます。★講演会 「男と女の更年期~人生100年時代、更年期をどう乗り切る?~」 2019年9月28日(土)13:30~16:00 グランシップ(静岡市) 鈴木美香さんが登壇! 「女性の更年期」について講演します。 ★鈴木美香さんの近著、発売中!「フローチャート女性漢方薬 とくに女性には効果バツグン!」 (新見正則・鈴木美香:著)★鈴木議長の過去の円卓会議より・相談できる婦人科医、いますか?・更年期について、学んでいますか?・女性ホルモンについて、学んでいますか?
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