働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3555 開催期間 2019年07月26日- 08月02日
職場で男性が育児休業を取りにくい雰囲気がある、との証言が次々に寄せられました。「忙しくて休めないなどの長時間労働を誇っているような雰囲気がある」ため、男性は育児休業を申請しにくいというのは、Midoriさん。平成を通り越していまだ昭和の香り漂う長時間労働の文化が、男性育休の壁となっているようです。 育休取得が「評価に響く」こともまた、大きな壁となっています。日本を代表するある大手企業では、男性部下が育児休業を申し出ると「昇進に響くよ、それでもいいんだね」と、いまだに上司が「念押し」するそうです。 短期の育休ですら、こうした念押しがあるくらいですから、1年の取得など夢また夢かもしれません。Jerrybさんが言うように、1年休職すると「1年下、下手すると2年下の年次との競争になる」こともあります。これが「年報に直結するので、プライドの高い男性には難しいでしょう」と。一般的に男性は、女性に比べ昇進意欲が強い傾向があります。私が2018年に行った「リーダーシップの性差とジェンダーバイアス」に関する会社員約2500人調査(大手企業25社対象のWEB調査)では、「部長以上まで昇進したい」と答えたのは男性7割弱に対して、女性は4割強にとどまりました。男性の昇進意欲も育休取得をためらわせる一因かもしれません。 とはいえ、育休取得がマイナス評価にならなければ問題ない訳です。企業によっては、育休取得がキャリア形成を阻害しないよう、育休期間をブランクとみなさず、育休取得前の評価と育休後の評価を接続させることで、育休中もしくは育休直後の昇進を可能にする企業もあります。こうした評価制度があれば、男性はもちろん女性も育休取得で遅れをとることはなくなります。 パタニティハラスメントともいえる事例も挙がってきました。「男性の育休取得者に見せしめ的な人事異動があった」(Midoriさん)、育休明けに妻子と住む自宅のある関西から東京への転勤を命じられたという「前例のない育休取得でパタハラ」(cheerさん)があったといった証言が寄せられました。 もしも、育休を取得した男性に見せしめのように転勤を命じるとしたら問題です。いま、そのそも「転勤」がキャリア形成上ほんとうに必要なのか、社員が選択できるようにすべきではないかという議論も盛んになってきました。実際に、全国転勤を廃止して社員が望むエリアで勤務できる制度を導入した、AIG損害保険のような会社も出てきました。安心して育休を取るには、転勤制度の是非も見逃せません。 その他、かんぱちさん、DaiamondBarさんが指摘してくれたのは、男性の育休取得による収入減の問題です。このテーマについては、次回最終日でさらに議論を深めたいと思います。男性の育休取得による収入減の問題を解決するためには、どんな方法があると思いますか。また義務化以外に、組織全体で男性育休を後押しする策としてどんな方法が考えられますか。みなさんの投稿をお待ちしています。 ★野村議長の過去の円卓会議より・入試、就職、昇格で 「女性差別」と感じたことがありますか?・フェイクニュースにだまされない自信、ありますか? ・定年を意識したことがありますか?
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