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会議番号:3559 開催期間 2019年08月30日- 09月06日
IRについて、また住民投票の是非について投稿ありがとうございます。議長として住民投票についての問いかけをしたのは、IR整備法は、IRの申請については、その自治体の議会での議決を求めています。しかし、4月にあった横浜市の市議会選挙では、市長による誘致発表の前で、市民の民意を問う機会がなかったからです。 真打ちさんは、市民が市政を動かすという意味で、住民投票に賛成という意見。Achikoさんも、誘致を実行するなら「堂々と公正な手続きを経て行うのが民主主義」と言います。unagiさんは、市長の決断は市民の声を聞いているようには思えないので、「税金を投じて住民投票をする価値は十分にある」という意見。Jerrybさんも「街をどうしていきたいか真剣に考える機会」として住民投票に賛成という意見でした。市民に疑問の声が多い案件なのだから、なおさら住民投票で賛否を問う必要があるということでしょう。 一方、DiamondBarさんは、「基地などと違って全市民の賛否を問うほどの影響力があるとは思えない」として、住民投票には懐疑的という意見。Zonnetjeさんは、住民投票で反対多数となったところで、市長はIRを撤回するのか、投票結果の実効性について懐疑的という意見でした。沖縄の米軍基地の移転については、県民投票でノーという結果が出ましたが、移転を進める国はその結果を無視していますね。 カジノを含むIRについて、横浜市民の意見もまちまちだと思います。ここで、住民投票を実施すれば、市民がもっとIRについて考えを深めることになるでしょうし、市民と市政との距離も近くなると思います。その結果を市長なり市議会が尊重すれば、横浜方式は全国のモデルになるのではないでしょうか。市長はIRについての説明会を市内のあちこちで開くようですが、住民投票となれば、市民の関心もさらに高まると思います。民主主義の原点のひとつは、住民の全員が参加するタウンミーティングで、いまでも米国の東部には、その方式を残すところもあるようです。住民投票も、市民の合意形成のひとつでしょう。 この議論も最後となりましたので、あまり議論できなかった論点をいくつか述べておきます。第1は、IRの設置個所は3か所、カジノの面積は全体の3%、日本人の入場は1週間に3回などの制限が法律や政令に盛り込まれていますが、こうしたカジノ規制は、導入時であって、状況に応じて変化する可能性があるということです。IRが好調ならほかの自治体からの設置要求が高まるでしょうし、カジノが不人気なら入場規制が緩和されるかもしれません。 第2は、カジノというと、スロットマシンやルーレット台が並ぶ華やかな場面が想像されますが、実際にカジノ収益源となるのは、一般客は入れないVIPルームで高額チップで行われるゲームです。そうした場所を好む富裕層を世界中から集めてくるノウハウと人脈は、日本にはないので、どうしても外国のカジノ企業が有利ということになります。 第3は、日本はパチンコというギャンブルがどこの繁華街にもあるギャンブル大国だということです。2019年の「レジャー白書」によると、パチンコの市場規模は20兆円で、日本のレジャー産業では断トツです。カジノができれば、パチンコの売り上げは減るかもしれませんが、パチンコ業界へのマイナスの影響がはっきりすれば、パチンコの射幸心をあおるような規制緩和が行われるかもしれません。 最後に、私が今回のカジノ誘致で違和感を覚えたのは、入場者の内外差別です。外国人は自由に入れるのですが、日本人は入場料を払ったり、回数を制限されたりという規制があります。みなさんのコメントには、日本人のギャンブル依存症対策として規制が必要という意見が多かったように思えます。その通りだと思うのですが、外国人から巻き上げるのは結構だが、日本人から稼ぐのは最小限に、というのは、なにか途上国的な発想のようにも思えるのです。 いろいろな意見が出た横浜IR、どうなるでしょうか。横浜市は2020年代後半の開業をめざすとしていますが、最初の関門は、IRの申請までたどり着けるか、そしてそれが認められるかどうかです。決定は、2年以内になると思いますが、さて、みなさんは「認められる」に賭けますか、「認められない」に賭けますか。★高成田議長の過去の円卓会議より・日米同盟、安泰ですか?・子どもの時の被災体験、ありますか?・北方領土問題、解決策ありますか?
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