イー・ウーマン（ewoman）

独特の装飾・儀式など（おがわ・東京都・57）

「公的な機関が主催するものは除外」という条件だったので、「Yes」を選択しました。「どんなことがなされると宗教的か」、については、「宗教家が臨席したり、その宗教独特の装飾や儀式があること」と思います。そして、信じる宗教がある人にとってはそれらが心のよりどころになると思うので、公的な機関主催でなければ慰霊・追悼式に宗教色があってもいいと思います。

完全な無宗教スタイルは無理（UNAUNA・東京都・52）

慰霊・追悼とは死者に思いや祈りの言葉を手向けることが主目的になるため、生と死を説く「宗教」というカテゴリーから完全に切り離すのは無理だと思います。そして慰霊・追悼式は、災害・事故を記憶に留めるだけでなく、生きている人が大切な人の死を悼み、苦難を乗り越えるための場を提供することにもなるため、特定の宗教色がつかない様、またNGの作法などに配慮する必要があり、黙とうなどの時間に個々の宗教の方法で祈りをささげるのが良いのではないかと思います。

普段目にするようなものならOK（DiamondBar・東京都・51）

私のYESは宗教色が少しくらいあったって構わないというものです。キリスト教式の結婚式で賛美歌を歌っても、葬儀でお焼香をしたからといっても特段宗教色は感じません。そのため、我々が普段目にするような儀式であれば違和感は感じません。むしろそれを超えるような儀式のようなものだと違和感を感じるかもしれません。

見た目と動作（地球交響曲・大阪府・42）

服装や飾りつけなどでが宗教独特の雰囲気が感じられるもの、動作では十字を切るとか一定の祈りの文句とかで特徴のあるものがあると、宗教くさいなと感じてしまいます。宗教色を出さないにしても、どうしても何かしら影響は出てくるかもしれないので、悼む心が有ればどんな形でも良いものになればと思います。

宗派を超えた尊厳（真打ち・栃木県・50）

会場に僧侶が居てお経が流れている、十字架が掲げられ神職者の姿がある、祝詞が唱えられ神主が居る等、目や耳から入る情報が宗教の特徴を捉えていれば、宗教色を感じるだろう。しかし、私は各々の想いで自由に信仰して良いとの考えの為、抵抗はない。特に、慰霊・追悼の場では、参列者の悲しみや慈しみの想いが、宗派を超えて一致していると考えられ、それぞれの心で死者を尊ぶ意識が何より大切ではないだろうか。

宗教家の臨席（パフィンドーナッツ・埼玉県・51）

議長のお言葉をお借りするならば、「宗教家が臨席し、仏教式、神道式、あるいはキリスト教式などによる祈りが式次第に含まれている亅時に宗教色を感じます。

宗教の考えは各自で（あやもと・秋田県・46）

異なる宗教観を持つ人々が集まるため、式自体に宗教色を出すことは控えた方がいいと思います。宗教を、価値観や考え方など自分の中に存在するものと、それを表現するための行動（儀式など）に分けて考えられるのだとしたら、式に集まる人々がそれぞれ自分の中にある宗教を持って参加すればいいのでは、と思います。

外来のもの、新興のものだったら（ＩＰウーマン・東京都・50）

信仰心がない者の乱暴な分け方になるが、慰霊祭にお経が流れていたり、神社で行うような様式でお祈りが捧げられたりしていても、特に不審には思わない。キリスト教やイスラム教の様式だったら、「？」と感じるかも。新興宗教風のものだったら、嫌悪感を感じるだろう。私の中で、仏教や神道は、すでに日本人の土着の信仰のような扱いになっていて、違和感を感じないのかもしれない。これに対し外来や新興のものに対する拒否感があるのは仕方がない。皆に受け入れられるにはまだ時間がかかると思う。

宗教は人それぞれなので（やぐかず・神奈川県・61）

日本では、お葬式は仏教、結婚式は神道かキリスト教という方が多く、宗教として心に受け入れているというよりも慣習に従ってというケースが多いように見受けられます。私自身キリスト教の信者なのですが、もし、会社で社員全員で神社に初詣に行きましょうと言われると抵抗を感じると思います。本来の宗教は、人間の生と死に直結したその人の価値観を示しており、便宜上取り入れるものではありません。人それぞれの心にある信じる対象を尊重することが望ましいと思います。

宗教色があるかないか、おおよその分かれ目になるのは、宗教家の参列や日常的な宗教行事とは異なるスタイル、あるいはお経や特定の宗教的シンボルの存在などのようです。

（地球交響曲）さんは「服装や飾りつけなどが宗教独特の雰囲気が感じられるもの、動作では十字を切るとか一定の祈りの文句とかで特徴のあるもの」をあげています。
（DiamondBar）さんは、賛美歌や葬儀での焼香の例をあげながら「我々が普段目にするような儀式であれば違和感は感じません」というご意見です。
（真打ち）さんは、「会場に僧侶が居てお経が流れている、十字架が掲げられ神職者の姿がある、祝詞が唱えられ神主が居る等、目や耳から入る情報が宗教の特徴を捉えている」といった例をあげています。
（IPウーマン）さんは、宗教の違いに言及しています。お経や神社で行うようなお祈りは特に不審には思わないけれども、キリスト教やイスラム教の様式だったら、疑問を感じ、さらに「新興宗教風のものだったら、嫌悪感を感じるだろう」というご意見です。

どこが分かれ目になるかには、若干の個人差も見受けられます。

ところで（UNAUNA）さんは、「慰霊・追悼式は、災害・事故を記憶に留めるだけでなく、生きている人が大切な人の死を悼み、苦難を乗り越えるための場を提供することにもなる」ということを指摘されていますが、この点も大事です。
　
政府は新型コロナウィルス問題が起ったことで、東日本大震災九周年追悼式を取りやめることにしました。またこの問題が取りざたされる以前の1月に、東日本大震災の政府主催追悼式を来年の10周年で最後とする方針を明らかにしました。
慰霊・追悼の行事も生きている側の都合に大きく左右されることが明瞭に分かります。
　
そこで（UNAUNA）さんの意見を展開させて、慰霊・追悼に参列する側は、そのことにどんな意義があると思うかを聞いてみたいと思います。宗教的意味を込める人もいるでしょうし、そうでない人もいるかと思います。いずれの立場からでもけっこうですから、考えてみていただきたいと思います。





★井上議長の過去の円卓会議より
・外国人への宗教の配慮、考えていますか？
・お寺や神社で「御朱印」をもらったことがありますか？
・宗教文化についての教養、深めたいですか？

• 2020.03.11
• 井上順孝 國學院大學名誉教授