イー・ウーマン（ewoman）

死者への敬意（DiamondBar・東京都・51）

僧侶や神職は死者を敬い、丁重に弔うための儀式をつかさどることのできる人だと考えています。そのための修行を重ね、儀式をとり行うべき資格のようなものを持った人たちとも言えると思います。死者への敬意をはらうという目的で僧侶や神職者により儀式が行われると思うので、あまり宗教色は感じません。

地域に根差した宗教施設（ぺり・38）

地元のお寺、神社、教会、モスクなど地域に根差した宗教施設がある場合、そのような団体が宗教色をもって慰霊や追悼をおこなうことは自然なことのように感じます。さまざまな宗教の人がそれぞれの方法で、慰霊や祈りをささげることができればよいと考えます。

想いを優先（n.dan　・広島県・46）

さまざまな人が集う場合には、宗教色は基本ない方が参加しやすいと思います。自分としてはあまり気にしていないので、YESと迷いました。想いを優先したいです。

どんなスタイルでも良いのでは（Tosuku・東京都・59）

ノーとしましたが、どちらでも良いという立場です。人の死を悼むのに、宗教が絡んでも絡まなくても悼む気持ちに変わりないと思うからです。という私はよくいる日本人、つまり仏寺にも行くし神社にも行くタイプです。ところで私は夫と結婚式をした際、人前式(無宗教)で行ないました。夫は信じる宗教があった為です。人前式の結婚式だって、十分良かったと思っていますから、慰霊・追悼式が無宗教でも十分祈りが通じると思います。

今後は多様性を考えて。（marco302・海外・その他・48）

最近トルコを旅して思ったのですが、イスラム圏の方たちにおいては他の神様を信じるなど許されません。勝手に祈られても魂は安まらず、迷惑以外の何物でもないと私は思います。当然ほかの宗教もそうだと思います。今までこういった式典で宗教色を出すことが許されていたのは、画一化した日本の文化があったから。今後、外国人も増えていく中、多様性を尊重した式典を行う必要があると思います。

参加者の心に配慮（まゆみｔｍ・東京都・51）

ひとの信仰と信仰の深さは百人百様で、異教に対する寛容性もひとそれぞれ。慰霊に訪れる人がいずれかの信仰心を持っていた場合、亡き人を思って悲しみにひたる時に、気持ちに違和感を覚えて複雑な思いをするのは気の毒だと感じます。同じ仏教、キリスト教でも宗派が多くあって千差万別なのが信仰の形なので、不特定多数の方が参加する慰霊・追悼には宗教色をつけないほうが参加者の心に優しい集りになるのではないでしょうか。

そこは個人で（kimirie・兵庫県・49）

慰霊・追悼式等の行事はあっていいと思います。ですが、宗教は自由なので、人それぞれ。だからこそ、行事としては、宗教色を出すのではなく、冥福を祈るのみにして…。でないと、違う宗教の人にはありがたみがないのでは？と思います。宗教的なことは、各々の家庭ですればいいかと思います。

それぞれの宗教を尊重するために（nekosaurus・愛知県・50）

亡くなった人を弔う気持ちに違いがなくても、見送り方に違いがあると戸惑いや、宗教によっては嫌悪感を抱いてしまうこともあると思う。そうならないために、また、それぞれの宗教を尊重するためにも、公的な機関は宗教色の無い慰霊・追悼行事を行うのだと思うので、それに匹敵するほどの大規模な行事には同じように宗教色は無い方がよいと思う。

誰もが抵抗感なく参加できるよう（xiadi・兵庫県・50）

故人を悼む気持ちがあっても、胸の前で十字を切るなど特定の宗教に象徴的な行為に抵抗感があると、慰霊・追悼式等の敷居そのものが高くなってしまうのではないかと思います。参加したい誰もが心置きなく参加できる方式が良いのではないかと思います。

NOが圧倒的に多い結果となっています。
YESという回答の中で、（ぺり）さんは、「地元のお寺、神社、教会、モスクなど地域に根差した宗教施設がある場合、そのような団体が宗教色をもって慰霊や追悼をおこなうことは自然」というお考えです。

NOと回答した方々の意見を見てみます。
（まゆみｔｍ）さんは、「不特定多数の方が参加する慰霊・追悼には宗教色をつけないほうが参加者の心に優しい集りになる」という考えです。参加者の受け止め方について配慮されています。
（kimirie）さんは「宗教的なことは、各々の家庭ですればいい」というご意見です。宗教は個々の問題なので、それぞれにということでしょうか。
（xiadi）さんは「胸の前で十字を切るなど特定の宗教に象徴的な行為に抵抗感があると、慰霊・追悼式等の敷居そのものが高くなってしまう」とのことです。
　NOの方々は、慰霊・追悼にはそれぞれの思いがあるので、特定の宗教色はない方がいい、というご意見が多いと感じます。

しかし、NOでも、やや迷いもあった方もいます。
（n.dan）さんは「さまざまな人が集う場合には、宗教色は基本ない方が参加しやすい」としつつ、YESと迷ったということです。

慰霊・追悼と表現しますが、少なくとも慰霊という言葉には、宗教的な意味合いが含まれています。しかし、NOが多いということは、それを特定の宗教の方式で表現することには抵抗を感じるということのように受け止めました。

とくに宗教家が臨席し、仏教式、神道式、あるいはキリスト教式などによる祈りが式次第に含まれていることはあまり好ましくないということになるでしょうか。
宗教色という表現が少し曖昧かもしれません。また人によってどんなイメージを抱くかも異なるかもしれません。そこで少しこの問題を掘り下げてみたいと思います。

皆さんは、どのようなことが慰霊・追悼の場でなされたなら、宗教色があるというふうに感じるでしょうか。YESかNOかにかかわらず、自由にご意見をいただきたいと思います。





★井上議長の過去の円卓会議より
・外国人への宗教の配慮、考えていますか？
・お寺や神社で「御朱印」をもらったことがありますか？
・宗教文化についての教養、深めたいですか？

• 2020.03.09
• 井上順孝 國學院大學名誉教授