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会議番号:3584 開催期間 2020年03月06日- 03月13日
慰霊・追悼式は、多くの人が行う年忌法要、あるいは「偲ぶ会」の類と、少し異なった性格を含むことが多いと思います。大規模な事故や災害では、一度に多くの方が亡くなります。突然の死、不条理に思える死などに直面すると、残された者が生きていることの意味を考えざるを得なくなります。 (Kylin)さんはそれについて、「生きている事の感謝」「亡くなった原因への対処の学び」「亡くなった人・生き物からの生き方のヒント」を得るためとした上で、「宗教色は日常生活と意識を変えるためのツール」というふうに、ご自身の考えを述べておられます。 (パフィンドーナッツ)さんは、「その災害や事故を忘れない為、そして自分が今後何が出来るのかを考える場でもある」としています。 お二人はYESとNOと回答は異なるのですが、生きているものとしての心のあり方は、かなり似通っているように思えます。 今回は慰霊・追悼式に宗教色があってもいいかどうか、という面からお聞きしましたが、全体としては宗教色の有無は二の次で、式を行う意義や態度が大事であるという意見が多かったように思います。宗教家の存在感が薄くなってきている日本社会を反映しているのかもしれません。 この結果は宗教家にとっては、少し衝撃でしょう。宗教色という表現で何を想像するかにはそれぞれに少し違いがあるようですが、宗教家が介在しない方が好ましいと考えている人が少なくないからです。 しかしそれは宗教否定ではないように思われます。NOと答えた方の中には、それぞれの信仰によって慰霊・追悼をすればいいというような意見もありました。ここには宗教色が一定のものに染まることへの拒否感が見てとれます。 宗教を重んじるにしても、それをどう噛みしめたり、表現したりするかは、それぞれが決めるものということになるでしょうか。公的な行事において特定の宗教色を出さないことは政教分離の原則からですが、そうでない場合も特定の宗教色を好まないという傾向は、日本社会では宗教文化に関わる価値観の多様化が進んでいることの証拠です。慰霊・追悼の宗教的意味合いが、個々人にゆだねられていくとしたら、一人ひとりが、より自覚的に宗教に向かい合わなくてはいけなくなりそうです。 一週間、貴重なご意見ありがとうございました。★井上議長の過去の円卓会議より・外国人への宗教の配慮、考えていますか?・お寺や神社で「御朱印」をもらったことがありますか?・宗教文化についての教養、深めたいですか?
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