働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3595 開催期間 2020年05月22日- 05月29日
1日目の投票結果はYESが約1割と、予想したよりも少なめの結果となりました。ニュースなどでも問題や課題を取り上げられるようになってきてはいますが、理解と認識が広まるのはまだまだこれからという状況のようです。 YESのお2人は、周囲のLGBTの方の実例をシェアしてくださいました。NOの方の回答でも、ある程度は見聞きされている方や、想像の範囲で考えを巡らせてくださる投稿を寄せていただきました。 海外にお住いのPenguinさんは、「近隣のPrideイベントも中止や延期になった」と教えてくださいました。おがわさんが「『カミングアウトして仲間と一緒に自分らしくいられる特定の場所』があった場合、コロナ禍の外出自粛や人と集まることを避ける、などの制限によってその場所に行けなくなり、孤立してしまうのでは」と指摘して下さっているように、「仲間とどうやってつながっていくのか(オンライン含め)」はこれからの課題になりそうです。日本でもGWに予定されていた東京レインボープライド2020の開催は中止になり、代わりに「#おうちでプライド」と題してオンラインイベントが行われました。2日間通しての視聴者数は約44万人にのぼりました。昨年のイベント動員数が20万人であったことを考えると、その2倍の人が参加したことになり、リアルイベントとは形が違っても、交流や情報発信は求められているということが感じ取れます。 Kylinさんはコロナ禍の影響で良かったこととして、「”らしい衣服”に悩まなくても良くなった」ことと、オンラインでは仕事の成果が明確になるため、職場の人間関係が合理化されることを挙げてくださいました。 一方で、良くないこととして、オンラインで家の中が見えるようになることや、新たに必要になった役所での手続きなどによって、他人に知られたくないプライバシーが侵害される問題を指摘してくださいました。pagiさんも「報道番組で報じられていたことで、性的マイノリティの方が新型コロナウイルスなどに感染した場合、濃厚接触者などの聞き取りなどについて、かなり不安を持っている」ということを挙げています。 新型コロナウイルスの感染経路に関する調査が「アウティング(本人の承諾を得ずに勝手にセクシュアリティを第三者に暴露する行為のこと)」につながってしまうのではないかという懸念の声は多く挙がっています。実際に韓国ではゲイクラブの集団感染が起こった際に、言わば“集団アウティング”に当たるような中傷や詮索が起こったそうです。 LGBTの人の中でも、オープンにしてパートナーと暮らしている人や、クローゼット(自分自身のセクシュアリティを公表していない人)で誰にもカミングアウトしていない人など立場がさまざまで、起こってくる問題も違いがありそうです。 このほかにも、寄せていただいた問題を挙げると、 ・入院中は面会謝絶と聞くので、戸籍上の家族でないカップルは困難があるのでは(ナカサワさん) ・同居者を家族として扱うのか、病院による対応のバラつきに心配があるのでは(真打ちさん) など、同性パートナーがコロナに感染した場合に、病院で家族として扱われるのかどうかという問題がありました。実はこれらの多くの問題は、新型コロナの感染流行以前からあるもので、コロナ禍をきっかけにより不安が強まっているようです。 海外にお住いのPenguinさんは、「LGBTの友人・知人で多くの人が失業している」という状況を挙げてくださいました。日本でも、もともと職場でも弱い立場の方が多いトランスジェンダーの人が、整理解雇の名のもとで首を切られやすいという問題が指摘されています。 このような状況の中でも、日本のLGBT差別禁止法や同性婚法制化は依然として進んでいません。 さて、グッドラックさんは、「見聞きした情報から課題を捉えることは難しく、課題を認識するときに主観を完全に排除することも不可能に近く、実体験のないテーマに対してはどうすればフェアに課題を捉えられるのだろうか」と問いかけてくださっています。皆さんはどのように感じられるでしょうか。 真打ちさんは、LGBTではなくDVの当事者の方にマスクをあげたときに「DVで口を塞がれた時を思い出し、着けられない」と返されたというエピソードを挙げてくださいました。これは「当事者でないとわからないことがある」と気づかせてくれる一例だと思いました。 電通ダイバーシティ・ラボのメンバーの一人からも、同性カップルである自分自身の家庭での「マスク」にまつわるエピソードを教えてもらいました。パートナーが世帯主、自分が同居人ということで住民票を登録しており、家に2枚のマスクが届いたときのこと。国からは「家族」として認められていないのに、こういったときは「一世帯」というくくりになるのだなと複雑な気持ちになったとのこと。いつもは認めてくれないのにこんなときだけ一世帯…、という気持ちと、なんだか国に家族と認めてもらえたような気がしてちょっと嬉しいような気もする…という、ゴチャゴチャな気持ちになったと教えてくれました。これもなかなか当事者でないと分からないことがあることを、気づかせられた一例でした。 パフィンドーナッツさんは「わからなくて申し訳ない。色々な立場の想像が出来ない自分は残念」とおっしゃっていますが、想像を働かせてみることが大事であると同時に、当事者のことは当事者に聞かないと分からないという認識を持ちながら、色々な人の話を聞いてみることが大事なのかもしれません。 コロナ以前から変わらずある課題と、コロナ以降に新たに生まれた課題にはどんなことがありそうでしょうか。皆さんにできることは、あるでしょうか。LGBTの友人・知人の話を聞いてみたり、自分自身に視点を置き換えたときに、当事者にしか気づけないことにはどんなことがありそうでしょうか。 家庭や学校、職場など、みなさんの身近な場で、どんな些細なことでも、結構です。みなさんのご意見やご提案をお待ちしています!★阿佐見議長の過去の円卓会議より・あなたの街。LGBTの市民も住みやすいですか?・「アンコンシャス・バイアス」って、悪いことですか?・LGBTの今後の課題、知っていますか? ・LGBTの課題への取り組み。企業の事例、知っていますか?★コロナ関連テーマのバックナンバー掲載中!
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