働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3644 開催期間 2021年06月11日- 06月18日
「私たちにできること、政府に求めること」について問いかけさせていただいたところ、今回もたくさんの投稿が届きました。 本当にどうもありがとうございました。 指導法について、 「体罰を必要としない指導法を、指導者に普及」(Jerrybさん) 「スポーツ指導者資格取得を推奨、審判資格の研修や講習を通じて、体罰問題を考えてもらう」(DiamondBarさん) など、複数の意見が届きました。 私たちヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は昨年、日本のスポーツにおける体罰の現状を調査した報告書を発表しましたが、その中でも、指導者全員に研修を義務付けることをスポーツ庁に対して提言しています。とても重要なことだと思います。 その他にも、すぐに実践できるご意見もたくさんいただきました。「第三者の目」が必要という意見、 「活動や練習を家族や友人が見学する」(Tosukuさん)。家族などの大人ができることとして 「子どもたちがどのような部活動を行なっているか会話の中で聞く」(le petit princeさん)。「親として出来ることは「子どもたちに指導者の体罰は許されないこと」を伝え続けること」(シンゴパパさん)など。私も、ひとりの親として参考になりました。ありがとうございました。 さて、「政府に求めること」については、真打ちさんなどから、「政府は率先して、体罰や蔑視発言などを把握したら即刻調査」というご意見。大賛成です。「上層に注意しづらい風土を、そう簡単に覆すのは難しい。政府が規範姿勢を整え、国民に発信し続けることで、誤った指導は激減すると私は思う」は、まさにそのとおり!と思います。 スポーツの中での体罰をなくすためには、様々な施策を同時にとらないといけないと思います。効果を出すためには、なかでも政府の役割は大きいと思うのです。 私はとりわけ重要な政府の政策として、スポーツにおける暴力や暴言等に対処するための独立した第三者機関の設立をあげたいと思います。政府によるセーフスポーツ・センター(仮称)の設立です。セーフスポーツ・センター(仮称)は、あらゆる暴力の申立てや報告を受け付けて調査を行い、指導者の処分(指導者資格の禁止や指導の禁止など)を行うとともに、体罰をなくすための基準を作り、その遵守を監視する組織です。HRWの昨年の調査報告書のなかでも、私はセーフスポーツ・センターの設立をその提言の中心としました。 しっかりした独立組織の設立など、セーフスポーツに向けたムーブメントは世界で活発化しています。最もよく知られたセーフスポーツのための組織は、米国体操界での大規模な性暴行事件を受けて2017年に設立された「米国セーフスポーツ」です。カナダ、英国などでもセーフスポーツの仕組みが構築されています。 国際オリンピック委員会(IOC)も選手への暴力暴行などの虐待を重大事項として取り上げています。そして、HRW報告書を受けて昨年8月には、IOCバッハ会長が日本オリンピック委員会(JOC)山下泰裕会長に対して、日本のスポーツにおけるハラスメントと虐待を根絶する方法について電話会談を行ったと発表されています。日本の現状に対するIOCの危機感があらわれていると思います。 東京五輪開会まで一か月あまりと迫りました。五輪開催には賛否がありますが、開催されるにしろされないにしろ、レガシーは必要です。東京五輪を契機に、セーフスポーツのレガシーを打ち立てたいと思います。そして、五輪を契機に日本にもセーフスポーツ・センターが確立された、2021年に日本のひとたちががんばってくれたのでセーフスポーツが日本にも根付いた、そんな風に未来の子どもたちに思ってもらいたいと思います。 そのために、今の社会を生きる私たちが声をあげたい。セーフスポーツのために、一緒に声をあげ、行動してくださる方がひとりでも増えればうれしく思います。1週間、ありがとうございました。★土井議長の過去の円卓会議より・人種差別を実感したこと、ありますか?★関連するテーマの円卓会議・スポーツ界のダイバーシティ、気になりますか?・叩かない子育て、日本は実現できますか?
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