山田厚史議長政治の「奢り歪み」は過去のこと？

会議番号:3661　開催期間 2021年10月22日－ 10月29日

政治の「奢り歪み」は過去のこと？

［議長］

山田厚史 ジャーナリスト・元朝日新聞編集委員

公文書の改竄を強いられ自死した近畿財務局の赤木俊夫さんの奥様は、お会いした時、一枚のカードを見せてくれました。亡き夫がいつも持ち歩いていた国家公務員倫理カード。「職務や地位を私的利益のために用いないこ... >>議長コメントを全文読む

会議1日目： 10/22
会議2日目： 10/25
会議3日目： 10/27
会議4日目： 10/29

選挙に行くのは当然のこと（2kishir0・東京都・32）: 若者の政治離れと言われたくありませんし、これからの日本を考えていくにあたって選挙に行くことは当然であると思います。選挙の話題になったとき「行かない」という友人には「行くべきだ」と説くタイプです。父からも「選挙には必ず行くように」と選挙権を得たときから言われてきましたので、これからも有権者の一人としてそうするつもりです。

緊張感のある審議をして欲しい（blueberry53・大阪府・65）: 私は、自由と民主主義を守ることと政権担当能力の有無を考慮し一票を投じています。また、過度に人為的に社会に政治が介入する政策には賛成しません。それは、人為的に介入しすぎることは非効率を生むだけでなく、国内政策に偏り過ぎて安全保障を疎かにすることに繋がりかねないからです。また、政治の不正を正すことは国会の仕事でないと思いますし、おごりを生むのは、真摯で高いレベルの審議がされていないからではないかと思います。緊張感のある審議が続けばおごりはなくなると思います。

女性議員を増やすこと（yuk-hat・埼玉県・37）: 政治の「奢り、緩み、歪み」を発生させにくくするためにも、女性の議員を増やすことを本気で考える必要があるのではないかと思います。安倍政権の事例など、今までが男性同士（均質性）のうやむやな無言の空気でやり過ごせていたのだとすれば、女性が入ることで不正な行動、不明確に話が進むことに対して敏感な感性が加わるので、そのような話をもちかけにくい＝発生しにくい空気になるのではないかと思いました。

先ずは驕りを正す（地球交響曲・大阪府・44）: 長期政権は例に漏れず何でも出来ちゃうと思うのか、構造的な問題が起きやすいので、定期的に他の政権に移行させ、その担当政党に政権の担当能力を持たせて、その後に政権が変わっても実際の国政の運営力のある人員の維持を米国の様にさせる必要があると思います。他の取り組みなどは、実際に政権を取ったら公約がどうであろうが、必要であれば国民が署名したり動く事でマスコミ等も交えて変える事も出来るので、先ずは個人を選ぶのと合わせて政権を如何に変えるかが重要であると思います。

人の判断はどうしても歪む（noriari・兵庫県・49）: 政治家として高い視座の信念があることは必須ですが、実のある活動ができるかは別問題。人なので判断の歪みは出る。大事なのは謙虚に誠実に行動できること。それを軽視したこの10年余りの内閣にはうんざり。先日テレビで20歳位の方が「政治について勉強不足なので投票行けません」と回答していて年代ギャップの衝撃を受けました。彼が投票に行ける日は来るのか？選挙ほど参加することに意義があるものは無い。まずは参加してほしいと切に願います。

投票することで関心をアピール（ゆりえってぃ・奈良県・29）: 中学生の頃、当時「郵政民営化」「小さな政府」といった看板の裏で様々な制度が変更された、との社会科の先生の言葉に衝撃を受け、自分でよく考えて投票したい、早く選挙権が欲しいと思いました。大学生の頃は名古屋に住んでいたのに一度実家の横浜に投票券が届いて困りましたが、なんとか郵送手続きしました。近年「若者の投票率が低いから」若者向けの政策が少なくなる、若者への社会保障支出が少なくなるという説をよく聞きます。自分が政治に関心があることを伝えるためにも、投票をします。

怒りを230文字に纏めきれない（Achiko・神奈川県・48）: 私の一票の根底には先の大戦がある。出征経験のある先生、疎開先での辛い経験を持つ保護者などから直接、平和、言論の自由などがいかに尊いものかを教わった。戦争のPTSDを患った祖父や、偶然出会った人など、身近に戦争経験者がいた。先人たちがあの悲惨な経験と引換えに手に入れたのが民主主義だ。私はそれを未来に残すために投票している。会議2日目のmira220さんの「戦後の総括もろくにせず、戦犯の血筋の方々が世襲でずっと政治の世界に」に同意見だ。ちなみに私は忘れないたちです。

政教分離と平和（真打ち・栃木県・52）: 投票は行く予定だ。私は幼少から、異様なまでの選挙熱で振舞う人々を、家族や周辺でつぶさに見て来た。今もその党は、信者による多くの組織票が投じられ盤石な基盤がある。普段、交流が希薄でも選挙時期になると思い出したように連絡をして来る人も散見され、私はこの独特の状況を嫌い、以前から政教分離を念頭に投票者を決めている。宗教と政治は一定の距離が保たれてこそ、平等な社会実現の近道だと、私は思う。

双方に反省を願う（DiamondBar・東京都・52）: 「奢り・緩み・歪み」は野党側にもあると私は思っています。旧民主党を中心とした連立政権。そこでの失敗への反省も謝罪も行わず、政権批判と国民に耳障りのいいことばかりを言うだけの人たちにしか見えません。企業だったら引責辞任する立場でも、今だにのうのうと国会議員を続けている。「公平な分配」という名目でカネをばら撒くのも不可解です。当選前に金を配ると犯罪で、公約という名のもと当選後に配れば合法という笑うに笑えないことが起きようとしています。

「歪み」の裏にボーイズクラブ

公文書の改竄を強いられ自死した近畿財務局の赤木俊夫さんの奥様は、お会いした時、一枚のカードを見せてくれました。亡き夫がいつも持ち歩いていた国家公務員倫理カード。「職務や地位を私的利益のために用いないこと」「国民の疑惑や不信を招く行為はしないこと」など５項目が謳われています。

第一線に求める倫理と、上級官僚や政治家が実際にやっていることの「ダブルスタンダード（二重基準）」をどう考えたらいいのでしょうか。

政治は生モノで、刺し身で食べると旨いサカナも、放置すると腐ってしまう。長期政権になると気が緩み、地位を私的利益のために使う輩が出てくる。腐ったら有権者に捨てられ、政権から追われる、という緊張感がなければ政治はシャキッとしないでしょう。その力を有権者が発揮できるのが投票です。

Achikoさんは「先人たちがあの悲惨な経験と引換えに手に入れたのが民主主義だ。私はそれを未来に残すために投票している」。2kishir0さんは「選挙の話題になったとき『行かない』という友人には『行くべきだ』と説くタイプです」。ゆりえてぃさんは「自分が政治に関心があることを伝えるためにも、投票をします」

　「我々は見ているぞ」という姿勢を示すことが、政治の「緩み」に対する最大の牽制になる。そんな中でyuk-hatさんの「『奢り、緩み、歪み』を発生させにくくするためにも、女性の議員を増やすことを本気で考える必要がある」という投稿は、面白い視点と感じました。

「安倍政権の事例など、今までが男性同士（均質性）のうやむやな無言の空気でやり過ごせていたのだとすれば、女性が入ることで・・・」という主張です。政権の奢りや歪みは、男性中心の不透明な支配構造と無縁ではない、論理よりも好き嫌い、仲間内の貸し借りや序列でことが決まる「ボーイズクラブ」とも呼ばれる家父長的な排他的システムが、政権政党に根強くある、とも言われています。

選択的夫婦別姓法案が日の目を見ないのは自民党内の「ボーイズクラブ」が壁になっているようです。時代遅れの政治を、女性の数を増やすことで解体しよう、という声は、東京五輪で暴言を吐いた森喜朗組織委会長（当時）の発言を機に高まっています。奢り・緩み・歪みを正すのは女性の政治参加。皆さん、どう思いますか？

「政治の奢り・緩み・歪みは過去のこと？」へのYes/Noの投票と併せ、女性議員を増やすことは、政治を公正な方向に向かわせる力になるか、貴方の意見や具体的な提案を投稿してください。

今回の総選挙で「女性」は大きなテーマです。突破口の議論は「選択的別姓問題」でしょう。全員に別姓を強いるわけでもないのに、この程度の法案が通らない国会って、どうなっているのでしょう。暗礁に乗り上げた「夫婦別姓」は、「ボーイズクラブの政治」を分かりやすく物語っているように思います。ユニークな投稿、お待ちしています。