働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3665 開催期間 2021年11月19日- 11月16日
こんにちは。特定非営利活動法人ジェンの木山啓子です。ジェンは、2001年からアフガニスタンの復興支援を実施してきました。 タリバンがカブールを制圧し、タリバン政権が復活してから約3か月経ちました。今、アフガニスタンでは3か月前に心配していたことが起こりつつあります。 まずは、3か月前にこの円卓会議の場で皆さんと議論したことをもう一度おさらいさせてください。 アフガニスタンは、タリバン復権の前から国際人道支援に頼っていた国です。40年にわたる戦闘と、度重なる自然災害、特にここ3年は、激しい干ばつも重なり、人々は厳しい生活を強いられていました。それに追い打ちをかけたのが、各国や国際機関による、アフガニスタンの資金凍結です。タリバンが女性の人権を尊重しないことや、過激派と認識されている人物が政権中心部にいるなど、タリバン政権に対する懸念があることは事実です。 同時に、凍結されている資金の一部は、公的機関の運営資金や公務員の給与でもあります。一説によると、公務員の給与は5月から支払われていないそうです。学校や病院や役所や警察が、給与が支払われていない公務員によって運営されているところを、皆さんは想像できるでしょうか? そのあり得ないことが、今現実に、アフガニスタンでは起きています。公共サービスの利用者という視点からも、由々しき問題ではありますが、それ以上に大きな懸念は、数十万人という公務員が、半年も給与を受け取っていないという事実です。 現地で働く同僚によると、この3か月で目に見える最も大きな変化は、物価、特に食料価格の高騰と、道をうろつく子どもや女性が増えたことだそうです。この子どもや女性は、徘徊しているのではなく、渋滞や信号で停車している車に乗っている人たちに、ガムやちょっとしたお菓子、ペン、ノート、コーランの一節を印刷した小冊子などを売ったり、道行く人々に施しを求めたりしているとのこと。既に、彼や彼女たちが路上で施しを求めなければならないほど、ひっ迫しているといいます。子どもが物乞いをすることは、子どもの時間を奪い、人にものをもらうことで尊厳を失わせるなど健全な成長を妨げるため、通常は子どもの物乞いには応じない同僚も、見るに見かねて施しをしたと言います。困窮している家庭では、お米や小麦をお湯に入れて水増ししてトマトや胡椒を加えたり、通常は食べない固くなったパンを入れてスパイスで味を調えたスープを食べたりしているとのことです。 十分な食事をとれない時、体の弱い人から命に影響があります。既に多くの子どもたちは、栄養失調に陥っているという報告もあります。最新の調査によると、95%の家庭で十分な食料がなく、7割の家庭で食事の量を制限せざるを得ない状況、5割の家庭で過去2週間に少なくとも一度は食料がない状態になったと報告されています。これから厳しい冬が始まり、アフガニスタン国民の多くが、飢餓の危機に瀕する見込みだそうです。 3か月前、先ずは命を守ることが最優先事項であると、皆さんと確認し合いました。私たちも、緊急食糧支援のための募金を実施しており、資金が集まり次第現地に届けます。ですが私たちの力だけでは、国民全体を飢餓から救うことができません。 アフガニスタンの危機的状況。ご存知ですか? まずはYES/NOで投票いただき、みなさんがご存知のこと、疑問に思うこと、率直なご意見など、投稿してください。1週間よろしくお願いいたします。
★木山議長の過去の円卓会議より
・アフガン情勢、ウォッチしていますか?
・厳しい状況下。誰かを励ませていますか?
・日本で「難民の就労」を増やす、いい案ありますか?
★テーマに関連する講演(2021年9月12日開催 第26回国際女性ビジネス会議より)
「私の見たアフガニスタン」安井浩美氏(共同通信社カブール支局通信員)
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