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会議番号:3715 開催期間 2023年04月14日- 04月21日
予算の使い方と、日本の防衛をどう噛み合わせて考えればいいか。それぞれの思いが語られました。 「テポドン1号を契機に情報収集衛星等ミサイル防衛予算が毎年発生したのに防衛費をGDP比1に%維持したため、弾薬、部品、隊舎の整備が後回しになった」(Michaelさん)。予算に枠をはめてやりくりする限界が今回の「防衛費増強」を促した、という指摘です。まさにその通り。戦争の様相が変わり、「ミサイル」からどう守るのかに焦点は移った。でも飛んでくるミサイルを撃ち落とすのは不可能に近い。そこで「やられたらやり返す」「やられる前にやっつける」と方針が変わったのですが、問題はその費用です。 米国の「トマホーク」は1発4億円、それを500発。「そこまで日本が買う必要があるのか、しかも米国の言い値で」(Unagiさん)との戸惑いや、「高額になるという現実から今の段階では限定せざるを得ない。ただ、継続戦闘能力が弱ければ国際社会の支援を受ける時間すら確保できなくなりますので優先し、最低限の反撃能力と組み合わせることが大切」(Blueberry53)という意見もあれば、「防衛力を強化しても効果は薄い。予算は防衛費以外の日本の喫緊の課題に対して配分して欲しい」(レッズさん)という声もあります。 かおるーんさんは「ウクライナを見ているといくら武器を揃えたところで不安でしかなく、国際協調のための予算を合わせて防衛の行動として議論できたら」と主張しています。安全保障は軍備だけでない。外交や文化交流を通じて仲良くなることも大事です。 戦争になれば武器は必要ですが、武器で安全を守れるのか。今回の防衛予算倍増が想定する「敵」は北朝鮮ではなく中国です。しかし中国を敵に回すことが日本にとっていいことなのか。 読売新聞に興味深い記事が載っていました。「日本への中距離ミサイル配備、米が見送り…「反撃能力」導入で不要と判断」(1月23日)。米国は日本列島からフィリピンにかけて中国を狙うミサイル網を配備する計画だったが、日本が長射程のミサイルを保有することになったので、「在日米軍への配備は不要と判断した」とありました。「トマホーク500発は米軍の肩代わり」と言わんばかりの米政府の判断でした。日米首脳会談でバイデン大統領が岸田首相の肩を抱いて喜んだのも頷けます。 今の日米関係では、中国と「覇権争い」する米国に協力することは避け難いことかもしれません。しかし、中東から足を抜き、太平洋で中国と睨み合うアメリカと一体化することは、日本が最前線に立つ、ということになります。 マクロン大統領は「いま台湾海峡の緊張を煽ることがいいのか。最悪は、アメリカや中国に追随しなければいけないと考えることだ」と述べ、波紋を広げました。米国の世界戦略から一歩引いて国益を考えるフランスらしい身の構えですが、日本はどうなのでしょう。 「台湾有事」を前提に軍備を考えれば際限はありません。今の日本は「戦争が起きたら」と万が一の事態への備えが声高に叫ばれています。それに比べ「戦争を起こさないための努力」は、どれほどなされているのでしょう。「敵」をつくらない、という政治・外交こそ、今問われています。 守るのは人の命、暮らしです。衰退が危ぶまれている日本をどう立て直すか。足らないのは自衛隊員や兵器ばかりではありません、教員不足は深刻化し公教育の現場は危機的です。介護人材もIT人材も足らない。おカネをかけるのはどこか、その選択を政治は問われています。 今回は、予算構造から防衛政策まで、重い課題を入り口からのぞいた程度でしたが、みなさんのご意見に頷くことが多い1週間でした。ありがとうございました。
★山田議長の過去の円卓会議より
・あなたの賃金。この5年で上がりましたか?
・経済制裁は、平和的手段だと思いますか?
・政治の「奢り歪み」は過去のこと?
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