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会議番号:3255 開催期間 2013年09月06日- 09月13日
いろいろなご意見をいただきありがとうございます。現在の翻訳は、精神科の病名(診断名)として病名連絡検討会で行われています。ところが、その診断名は精神科だけでなく、小児科、神経内科など多くの診療科で使用するため、その議論に医学会全体で参加すべきという意見が出てきました。さらに小児科では、「用語ワーキンググループ」で、病名という縛りではなく用語として、関連職種の人を含めてより広く意見を求めるべき、という考え方があります。 しかしながら、英語での診断名および基準はすでに発表されていますので、学会で統一した見解を出さないと、「訳した者・早いもの勝ち」で診断名が一人歩きし、より混乱することも予想されます。そのため、新旧両病名表記、用語の変更もありうるという方針のもと、診断名を発表することは妥当ではないかと考えています。 診断名の変更の前例としては、精神分裂病が統合失調症に、痴呆症が認知症などがあります。ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、「欠陥」という用語を精神神経学会が「欠如」に変更し、注意欠如・多動性障害を使用することにしました。確かにその方が当事者に受け入れやすいかもしれませんが、関連各科への議論なしに変更されたため、未だにその用語は普及しておらず、小児科や福祉、教育、行政機関では「欠陥」を使用しています。 一方で、厚労省は1つの疾患に複数の病名が存在することは、疫学など調査研究を行う際、重複や欠落が生じること、一律のサービスを提供するうえで煩雑になりかねないことなどを理由に、難色を示すと思われます。そうなると厚労省が主導で、パブリックコメントを求めて、1つにまとめる作業が必要ですが、皆さまの意見を拝見すると、その作業も極めて難しいと思います。 本日までにいただいた、“mieuxxx”さんの「誰のために?何のために?」、“marco302”さんの「言葉が変われば何かが変わる?」、“blueberry53”さんの、「名称は単なる問題の入口論」などのご指摘の通り、根幹にかかわる議論が出来ていないのも事実です。 医学的な基準に基づいた診断が必要なのは言うまでもありません。診断は医療行為ですが、診断名を当事者や支援者そして広く一般に伝えるコミュニケーション能力が求められています。コミュニケーションツールとしての用語。私は、診断名と用語は必ずしも一致しなくてもよいと思います。 神経発達症の訳語として最初は、「神経発達不全症」という案が示されましたが、「不全」が好ましくないという意見が多く削除されました。しかし「未発達症」というご意見にもあるように、一般的には「症」単独ではイメージしにくい、イメージが悪いのかなとも思います。重要なのは、「診断名という名称」を単に受容するのではなく、用語として知り、正しく理解すること、速やかな支援につなげることだと考えています。 幅広い角度からご意見をいただきました。1週間お付き合いいただき、ありがとうございました。★古荘議長過去の円卓会議より・暴力的な行為を受けた子どものケア、できますか?・子どものいじめ、気づくことができますか?・子どもがキレる。対応できていますか?
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